ここから本文です

「上野学園大学」が経営陣を批判した教授を相次ぎ解雇 「無効だ」と裁判に……

5/17(水) 6:01配信

BuzzFeed Japan

「盲目のピアニスト」辻井伸行氏らを輩出した音楽大学「上野学園大学」に異変が起きている。大学は2016年12月、創業者一族に多すぎる給与を支払っていたほか、ファミリー企業に清掃などの業務を発注し、極めて高額な業務委託料を払っていたなどと第三者委員会から指摘を受けていた。

そして2017年3月と4月、こうした問題を学内から指摘していた「新しい上野学園を作る会」の共同代表2人が、相次いで解雇を通告された。そのうちのひとりで、2016年度まで音楽学部・学部長だった声楽家・村上曜子氏は5月16日、解雇無効などを求める訴訟を、東京地裁に起こした。村上氏と代理人弁護士は都内で記者会見し、「解雇は批判を封じ込めようとするもので、見せしめだ」と主張した。【BuzzFeed Japan / 渡辺一樹】

経緯を振り返る

上野学園大学は、1958年に設置された音楽大学だが、このところ経営状態が悪化。第三者委員会の報告書によると、2015年度末時点での累計損失額は約31億円になっていた。

村上氏によると、大学は損失を補てんするため、世界的に貴重な「バッハの自筆楽譜」を約3億5000万円で売却したり、メンデルスゾーンやダウランドの自筆楽譜、ロジェーリのバイオリンなども約7400万円で売却していたという。

辻井氏を指導者したピアニストの横山幸雄教授ら教員有志は、こうした事態を重く見て、創業者一族の問題経営を指摘した。

第三者委員会の調査では……

大学側は2016年6月、石橋慶晴・元理事長を退任させ、代わりに妻の石橋香苗氏を理事長とするなど、経営体制を変えた。

しかし8月、文科省は第三者委員会を設置して調査するよう、大学に要求した。

第三者委員会が2016年12月にまとめた調査報告書では、創業者一族である石橋裕・元学園長や石橋慶晴・元理事長に高すぎる報酬を支払っていたせいで補助金が減額され、それが「財務状況をさらに悪化させ」たと認定された。また、学校から、石橋家が経営するファミリー企業に支払われた清掃・食堂などの業務委託料も「不相当」とされた。(他業者に委託した場合と比べて、9年間で8億4000万円ほど高かったという)。

第三者委員会は、上野学園大学の経営について「ガバナンスの機能不全により、法令や内部規則に基づかない場当たり的な意思決定がなされてきた」と批判。「一刻も早い正常化及び秩序の回復に向けて、必要な努力を行うよう望む」とした。新理事長の石橋香苗氏は2017年1月、「歴史と伝統に恥じない再生を果たす決意」と表明した。

1/2ページ

最終更新:5/17(水) 13:33
BuzzFeed Japan