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映画監督の遊び心?劇中に潜む俳優の存在

5/17(水) 18:20配信

Lmaga.jp

「あれ、この人は…」。以前、映画を観ていて、原作者やその映画の監督が出演しているのに気づくことがあると書いた。でも、そればかりでなく、その作品の監督ではないが、映画監督が俳優として映画に出演していることもある。普段は演出に専念しているが、ときどき友人、先輩・後輩の監督に請われて出演していい味を見せる人が多い。先日亡くなった奇才・鈴木清順監督が、大森一樹監督の『ヒポクラテスたち』(1980年)で演じた医学生たちの指導教授や、その鈴木監督の傑作『ツィゴイネルワイゼン』(1980年)で主人公の1人を演じた藤田敏八監督などは忘れがたい演技者だった。

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近年の作品で印象的だったのは、「いまさら」感はあるけれど、庵野秀明監督の昨年の大ヒット作『シン・ゴジラ』(2016年)。『鉄男』(1989年)や『野火』(2015年)など自作品でも主演することが多い塚本晋也監督は、ここでも重要な科学者役でいい芝居を見せていたが、面白かったのは大杉漣扮する総理大臣から、会って時間を無駄にしたと言われるダメな学者トリオ。演じていたのが原一男監督、緒方明監督、犬童一心監督だった。ダメ学者という役に3監督と庵野監督との仲の良さが感じられて、実に微笑ましい。そして、『シン・ゴジラ』に出演している監督がもうひとり。物語全体のキーパーソンとなる、巨大生物の存在を予言していた牧博士。映画では一瞬写真が映るだけだが、その人物こそ岡本喜八監督だった。以前から岡本監督の大ファンを公言していた庵野監督が、こういう形で敬意を表したのだ。庵野監督と同様、いまだ数多い岡本監督のファンにはたまらない仕掛けだった。

また、監督や原作者でなく、普通に俳優を観ても「あれ、この人は…」と思うことも多い。 今年のアカデミー賞で作品賞を含む6部門にノミネートされ、結果、ケイシー・アフレックが主演男優賞を、監督・脚本のケネス・ロナーガンが脚本賞を受賞した『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(5月13日公開)。これに懐かしい、意外な顔を発見した。主人公の急死した兄の元妻の、いま一緒に住んでいる男性をマシュー・ブロデリックが演じていたのだ。ブロデリックと言えば、『フェリスはある朝、突然に』(1986年)などでアイドル的人気を誇っていた俳優。ほかにも、『トーチソング・トリロジー』(1988年)などいい作品もあった。現在55歳のブロデリック。太って面変わりしてはいるが、それでも再会はなんとなくうれしい。演技的には、人当たりはいいが実は底意地悪い男を的確に演じていた。

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最終更新:5/17(水) 18:20
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