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系列サプライヤーの収益回復からも見えてくるホンダの変身

ニュースイッチ 5/17(水) 8:04配信

コミュニケーションは著しく改善、開発・コスト効率と「らしさ」両立へ

 ホンダへの供給が多い部品メーカー11社の2018年3月期連結決算は、7社が売り上げ増を見込む。日本や北米、アジアでの受注増が売り上げをけん引する。一方で、7社が営業減益と予想。先行き不透明な状況の中、将来に備えるために研究開発費を積み増すほか、他メーカーとの競争激化による単価減などが響く。

 増収を見込む7社のうち、テイ・エステック、日信工業、武蔵精密工業が営業増益と予想した。3社ともにホンダ向け部品の生産数増加や製品構成の変化が奏功するとみる。

 テイ・エステックは日米アジアでホンダ向けのシートや内装材の生産が増えると予想。「ホンダをはじめ海外メーカーに選ばれるような新製品を供給し続けたい」(井上満夫社長)とした。日信工業はアルミを生かした軽いロアアームなど高付加価値な部品の生産体制が整い、北米や中国のホンダの拠点を中心に受注が見込めるとした。武蔵精密もパワートレーンに用いる差動機構部品が、米中などでホンダ向けを中心に受注が増えるとしている。

 ショーワは16年度に計上したガススプリング製品の品質対応費用がなくなり、営業黒字に転ずる見込み。

 営業減益予想の7社の中でケーヒンと八千代工業は、競争激化に伴う価格下落ではなく、ホンダとの関係強化のために研究開発費を増やしたことがおもな理由。ケーヒンは研究開発費が29億円利益を押し下げるとみる。「ホンダの電動化方針にキャッチアップできる強いシステムサプライヤーになれるように、開発力を強める」(横田千年社長)とした。

 八千代工業も研究開発費の積み増しで約10億円の利益押し下げを見込む。燃料の揮発を抑えたプラグインハイブリッド車向けの軽い樹脂製タンクや、燃料電池車向け水素タンクの開発など、ホンダの電動化の方針に向けた開発を進める。

設計プロセス変わる

<専門家の見方>
 ホンダ系サプライヤーの収益性に立ち直りの兆しが見えてきた。メガシフトを大前提に進めた前経営陣とは異なり、ホンダらしさの追求を優先し、先行開発段階からホンダ系サプライヤーを巻き込む開発スタイルに現在のホンダの設計プロセスが変わった。

 機能部品やシステム部品に関して結果としてメガシフトが進むことには変わりはなくとも、サプライヤーとホンダのコミュニケーションは著しく改善を示し、この協業が、開発・コスト効率とホンダらしさの両立に結び付くだろう。
(ナカニシ自動車産業リサーチ代表・中西孝樹氏)

最終更新:5/17(水) 8:04

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