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三井住友建設、建物3階部分を免震改修し住居に復旧 横浜の賃貸住宅で“スゴ技”

日刊工業新聞電子版 5/17(水) 15:40配信

中間階を免震改修

 三井住友建設は若葉台団地(横浜市旭区)の賃貸住宅で、免震改修と住居に復旧する工事を実施した。免震構法は建物と地面との間に免震装置を設置し、揺れを建物に直接伝えないようにする工法。通常免震改修は地下部分や1階の駐車場、中間階の倉庫などスペースのある部分で施工する。

 今回は住居のある3階を免震改修し、再び住居空間に戻した珍しい案件。建物形状が低層階と、住居部分の3階以上が異なるのに応じ、改修構法を選択した。多様な建物構造への対応力を武器に、免震改修を積極展開する方針だ。

 三井住友建設が免震改修したのは、神奈川県住宅供給公社が開発した若葉台団地の賃貸住宅3―5棟。地上13階のうち1、2階は事務所と店舗、3階以上は住宅となる。耐震基準が1981年以前の基準(旧耐震基準)で設計されたため地震対策の必要があり、2016年10月に工事を終えた。

 耐震補強にあたり、建物の構造に合わせた工事を実施した。若葉台団地の賃貸住宅は、低層階と中・高層階で建物の形状が異なる。3階以上は細長い板状の形だが、1、2階は建物が水平方向に大きく広がる。

 このため1、2階部分を耐震壁とブレースで補強し、3階以上の住居部分に免震構法を用いた。

住戸階としての機能も維持

 免震改修では、3階部分と4階部分の住居空間が、地震の揺れで切り離させるようにスリットを入れた。外気や騒音などの影響を受けないように「遮音や温・湿度への対応を重視した」(三井住友建設の白山貴志技術本部構造技術部建築構造技術グループ課長代理)。

 また、住居階を免震改修して再度、住居空間に戻すため、3階の住居区分を見直した。3階に免震装置を入れると住居空間が減るためだ。3人家族用の住居空間を1人暮らし用にするなど、入居者を想定した住居空間を設計。改修前の12戸から10戸にして対応した。

 三井住友建設の徳武茂隆技術本部構造技術部建築構造技術グループ長は「住戸をいかに減らさず、耐震性能を持たせるか」を苦労した点にあげる。「免震改修しても、住居として復旧できた」と成果を強調する。

 免震構法はブレースの設置などと比べ、コストが高いのが難点。だが、今回の案件は4階以上の住居の工事が不要など施工範囲を限定でき、耐震性能を高められた。建物の外観に手を加えなくてすむといった利点もある。三井住友建設は今後、免震改修が増えるとみており、顧客ニーズに合った改修を提案する考えだ。

最終更新:5/17(水) 15:40

日刊工業新聞電子版