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中古自動車小売の倒産、5年ぶり前年度比増加

帝国データバンク 5/17(水) 11:40配信

2016年度は自動車業界において多くのニュースが飛び交った1年となった。三菱自動車工業とスズキの相次ぐ燃費不正問題により一部車種が販売停止を余儀なくされたほか、タカタによるエアバッグ問題が発覚し、大量リコールも発生した。このほかにも、米フォードが日本の自動車市場縮小などを理由に日本事業から撤退するなど、国内の自動車販売市場が変化した1年でもあった。こうした市場変化の影響は、消費者と直接向き合う小売業各社も同様に受けやすく、経営環境の変化に耐えられなくなった自動車関連小売業の倒産が懸念される。

帝国データバンクでは、2000~2016年度(17年間)の「自動車小売業」の倒産動向(法的整理を対象)について分析した。

調査結果

1.自動車小売業(新車・中古車)の2016年度(2016年4月~2017年3月)の倒産は110件(前年度比29.4%)となり、2年ぶりに前年度を上回った。負債総額は133億8200万円(同68.1%増)となり、2年連続で前年度比増加となった。業態別にみると、中古自動車小売業の倒産は97件(同40.6%増)となり、5年ぶりに前年度を上回った

2.自動車部品・付属品小売業の2016年度の倒産は23件(前年度比109.1%増)となり、3年ぶりの前年度比増加。負債総額は20億8700万円(同39.6%減)で、2年ぶりの前年度比減少

新車小売の倒産は2年連続の前年度比減少

調査の結果、自動車小売業の倒産件数は2年ぶりに前年度を上回り、負債総額は2年連続の増加となった。新車小売業は2年連続で倒産件数が減少したものの、中古自動車は大幅増加となったほか、カーケア用品を販売する自動車部品・付属品小売業も2年ぶりに前年度を上回った。特に、中古自動車小売業は他の自動車販売業界に比べ国内外に多様なリスクを抱えており、同業界が自動車小売業全体の倒産件数を押し上げるケースも多い。

近時では、自動車販売台数は新車市場を中心として回復傾向にあるものの、少子高齢化と人口減少が進む国内では、自動車需要は厳しい状況が続くことが見込まれる。また、中古自動車小売においても同様に、国内新車市場縮小による商品減少や輸出先の景気動向によって業績を大きく左右されるなどのリスクを避けることが難しくなりつつある。国内企業倒産が減少傾向で推移しているなか、こうしたリスクを内包する同業界の倒産動向について注視する必要がある。

最終更新:5/17(水) 11:40

帝国データバンク