ここから本文です

「労働基準関係法令の違反企業332社」企業実態調査

東京商工リサーチ 5/17(水) 14:20配信

 5月10日、厚生労働省労働基準局監督課が、「労働基準関係法令違反に係る公表事案」として法令違反した企業名を初めて公表した。2016年10月1日以降に労働基準関係法令に違反し、書類送検した334件(社数は332社)を同省ホームページ上に掲載している。社名一覧の公表は2016年12月に同省が発表した「過労死等ゼロ」緊急対策の一環で、違反企業は毎月定期的に掲載する。
 東京商工リサーチでは、今回公表された労働基準関係法令に違反し書類送検された334件(332社)について分析した。違反企業の産業別では、建設業が115社(構成比34.6%)と3割を占めた。次いで、製造業76社(同22.8%)、サービス業他68社(同20.4%)の順だった。売上高別では、10億円未満が164社(同67.2%)と圧倒的に多く、100億円以上は21社(同8.6%)にとどまった。
 政府が積極的に「働き方改革」を推進し、社会的に違法な労働環境を許さない気運も高まり、劣悪な労働環境を強いる企業への風当たりは厳しくなっている。一方、今回の公表企業は、下請けや厳しい過当競争を強いられるサービス業などの小規模事業者が大半を占めている。広く警鐘を鳴らす目的でスタートした一覧公表だが、値下げ圧力のなかで受注や納期、利益確保に向けて取り組まなければならない中小・零細企業の厳しい現実を浮き彫りにもしている。こうした法令違反の企業名公表が、産業界の構造的な問題にどこまで踏み込んでいけるか今後の展開が注目される。 
※本調査は厚生労働省が5月10日にホームページ上に掲載した「労働基準関係法令違反に係る公表事案」で公表された違反企業332社について、TSR企業データベース(309万社)から産業別、業種別、売上高別などで分析した。

「労働安全衛生法違反」が最多の6割
 一覧公表された334件のうち、違反した労働基準関係法令の内訳は、労働安全衛生法違反が211件(構成比59.1%)で6割を占めた。建設作業現場や製造現場などでの安全管理義務を怠ったことで事故が発生したケースが中心になっている。
 次いで、違法な長時間労働などの労働基準法違反が63件(同17.6%)、賃金未払いや最低賃金を遵守しない最低賃金法違反が62件(同17.3%)と続く。
 また、その他法(2件、0.5%)は、粉塵による疾病予防と健康管理が義務付けられているじん肺法違反と、家内労働者(内職者)保護を目的としている家内労働法違反が各1件。
※一覧公表されている334件のうち、複数の法令に違反しているケースがあり、法令違反の総数は357件。

建設業、製造業、サービス業他の3産業が突出
 社名公表された332社のうち、産業別で最多は建設業で115社(構成比34.6%)だった。次いで、製造業の76社(同22.8%)、サービス業他68社(同20.4%)の3産業が突出し、この3産業で全体の約8割(同78.0%)を占めた。
 建設業と製造業の合計191社では、労働安全衛生法違反が156社(同81.6%)と8割に達した。

1/2ページ

最終更新:5/17(水) 14:20

東京商工リサーチ