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戦前生まれ?ラジオ塔 今も現役 毎朝ラジオ体操放送 市民集う 長崎公園

長崎新聞 5/17(水) 10:22配信

 長崎市上西山町にある長崎公園の一角に、戦前に建てられたとみられる「ラジオ塔」がある。受信ラジオがはめ込まれた石塔で、高さは約3・5メートル。現在も毎朝欠かさずラジオ体操の放送を公園中に響かせている。

 日本放送協会(NHK)に関する資料などを展示するNHK放送博物館(東京)によると、ラジオ塔の正式名称は「公衆用聴取施設」。ラジオ放送を普及させるため、NHKが1930年から41年まで全国各地の公園などに約350基を設置した。その後、戦時中の金属供出や劣化などで受信ラジオが使用できなくなり大幅に減少。現在は各自治体が管理しているケースが多く、同博物館も現存するラジオ塔の数は分からないという。

 「ラヂオ塔大百科」の著者で、岡山市のカメラマン、一幡(いちまん)公平さん(44)は全国各地に出向き37基を調査。このうち稼働しているのは新潟、大阪、徳島にある3基のみしか把握していないという。

 「ラヂオ年鑑 昭和13年」(日本放送協会編)には、NHKが1936年に「長崎市諏訪公園」に「春日燈籠( かすが とうろう)型」のラジオ塔を設置したと記載。「諏訪公園」は長崎公園の旧称で、県から長崎市へ管理が移った1889年までそう呼ばれていたが、ラジオ塔が設置された年にはすでに長崎公園に改名されている。こうした事実も踏まえ、同博物館が石塔の型を検証したところ「長崎公園のラジオ塔は他の春日燈籠型に比べ微妙に角張っているという違いもあり、諏訪公園に設置されたものかどうか判断がつかない」としている。

 ただ、近隣住民に古くから親しまれていることに変わりはない。長崎公園を管理する同市みどりの課によると、使用できなくなっていた受信ラジオを1984年に修復した後は、毎朝6時半からのラジオ体操に合わせ約30分間放送している。幼少期から公園を利用している立山1丁目自治会長の井村啓造さん(70)は「105歳になる母からは、戦前からラジオ塔が存在していたと聞いている。今後も親しまれ続け、長崎の名物になってほしい」と話した。

長崎新聞社

最終更新:5/17(水) 10:22

長崎新聞