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シャラポワの人気もワイルドカードを勝ち得るには至らず [全仏テニス]

THE TENNIS DAILY 5/17(水) 16:00配信

 フランス・テニス連盟会長のベルナール・ジウディセリにとって、薬物使用に対する戦いのほうが、マリア・シャラポワ(ロシア)の人気よりも重要だった。それゆえ彼はシャラポワに、全仏オープンのワイルドカード(主催者推薦枠)を授けないと決めた。

全仏からのワイルドカード拒否のあと、シャラポワが棄権 [BNL イタリア国際]

 ジウディセリは、過去の薬物使用による処分ゆえワイルドカードを与えることはできないとシャラポワに言うため、火曜日に2度、彼女に電話した。

 今週の「BNL イタリア国際」を含めたほかの3大会は、シャラポワが先月15ヵ月の出場停止処分から戻ったあと、彼女にワイルドカードを提供したが、ジウディセリの信念は揺るがなかった。

「故障から復帰した場合にはワイルドカードはあり得るが、薬物使用からの復帰でワイルドカードはあり得ない」

 彼はフェイスブックでのライブ映像で決断を発表した際に、こう言った。

 彼は多くのファンたちが彼女のプレーを見たがっているということを認めたが、それでも特別な贔屓をすることはない、とした。

「いくつかの人気投票の類に結果を見て、全体の3分の2の人々が、マリアがワイルドカードを受けることに賛成しているのを目にした。もちろんプレッシャーは感じた」とジウディセリは言った。「しかし我々は、マリア・シャラポワを(ほかの選手と)違ったやり方で扱いたくはない。マリアはここで2度優勝したが、我々には大きな責任がある」

 ジウディセリは、シャラポワに本戦への近道を与えてしまうことは、スポーツ界での薬物使用に対する闘いに間違ったメッセージを送ってしまうことになる、と感じたのだという。

「彼女は非常にがっかりするかもしれないが、これが私の責任なのだ。テニスを保護し、テニスの高貴な基準を守らなければならない」と彼は言った。

「多くの人々が、この決断によってがっかりさせられるかもしれないということはわかっている。しかしながら、ロラン・ギャロス(全仏)は、ほかのグランドスラム大会、WTAとともに、薬物使用に反対する戦いに非常に力を入れている。この信念に反する決断を下すというのは、あり得ないことだ」

 彼はまたこうも続けた。

「彼女がメディアからどれほど注目を集める選手であるかは知っている。ファンやテレビが抱いている期待もわかっている。しかし、私にとって、アンチ・ドーピングのメッセージのための強い献身と敬意を超えることは、不可能に思えた」

 4つのグランドスラム大会のすべてで優勝したことのあるシャラポワは、2012年と2014年にロラン・ギャロスで優勝した。

 最初の2大会でのワイルドカードのおかげで、彼女はランキングをトップ200位近くまで上げたが、それでは、ロラン・ギャロスの予選出場権を得るのにさえ十分ではなかった。そのため彼女は2年連続で全仏オープン出場を断念しなければならないことになったのである。

 全仏オープンは5月28日から、フランス・パリでスタートする。

 昨年の全豪オープンで禁止された心臓病の薬、メルドニウムで陽性と判定されたあと、シャラポワははじめ、2年の出場停止処分を言い渡されていた。しかしそののちスポーツ仲裁裁判所が上訴に応じ、シャラポワのミスは「重大な過ちではなく」、彼女は「意図的な薬物使用者とはみなされない」としつつ、15ヵ月への減刑を決めた。

 シャラポワはメルドニウムを何年も摂取し続けていたが、それが2016年1月から禁止薬物のリストに加えられるというWADAによる発表を、見逃していた。

「仲裁裁判所は彼女の刑を減刑したが、マリアがこの不幸な出来事の責任を負う唯一の人物であることを認識してもいた」とジウディセリは言った。「その決断に疑問を投げることは私のすべきことではなく、繰り返すが、法廷によって下された決断を尊重しなくてはならない」。

 世界1位のアンジェリック・ケルバー(ドイツ)とアンディ・マレー(イギリス)は、シャラポワがワイルドカードを受け取ることに反対する意見を述べ、一方ユージェニー・ブシャール(カナダ)は、公に彼女のことを、永久追放されるべき“不正を働いた者“と呼んだ。

 多くの選手たちは、シャラポワはランキングを向上させるため、ワイルドカードをもらって主要な大会に出場する代わりに、(ITFサーキットなど)下部大会への出場から始めるべきだ、と信じていた。

 彼女は、今週のイタリア国際の前に、シュツットガルト(WTAプレミア)とマドリッド(WTAプレミア・マンダトリー)でもワイルドカードを授けられていた。彼女はこの3大会のすべてで過去に優勝したことがある。

 シュツットガルトで、WTAの責任者、スティーブ・サイモンは、ドイツのテレビ局ZDFに、彼女はすでに過ちの代価を払った、と言っていた。

「この出場停止処分が、キャリアを通して行った仕事の価値を消し去るべきだとは思わない」とサイモンは言っている。(C)AP(テニスマガジン)

Photo: PARIS, FRANCE - JUNE 08: Maria Sharapova of Russia poses in front of the Eiffel Tower with the Coupe Suzanne Lenglen at Trocadero, following her victory in the women's singles final match against Simona Halep of Romania, on day fifteen of the French Open on June 8, 2014 in Paris, France. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

最終更新:5/17(水) 16:00

THE TENNIS DAILY