ここから本文です

米労働者の薬物反応が増加、過去10年以上で最大

ウォール・ストリート・ジャーナル 5/17(水) 9:32配信

 米国では、違法薬物の検査で陽性反応が出る労働者の数が過去12年で最大となっている。医療検査サービス大手クエスト・ダイアグノスティクスが16日に発表したデータで分かった。

 マリフアナの陽性反応が出た労働者の数は4%増え、他の薬物でも増加した。背景には、マリフアナに対して寛容な州法が増えていることや、コカインやメタンフェタミンといった薬物の使用が再び増加していることがある。

 2016年に企業の依頼を受けてクエストが実施した薬物の尿検査では、890万件のうち4.2%が陽性となり、前年の4%を上回った。この割合は、陽性が4.5%だった04年以降で最も高い。

 米労働者の間で最もよく使われている薬物は依然マリフアナだ。16年の尿検査では労働者全体での陽性反応は2.5%と、前年の2.4%から増加している。クエストはバス運転手や飛行機のパイロットなど、公衆安全にかかわる職業に就く労働者の検査も実施。これらの職種については定期的な薬物検査が国の規則で義務付けられているが、この分野でもマリフアナ陽性反応は0.78%と、前年の0.71%から増加した。

 嗜好(しこう)品としてのマリフアナを認めている州では、実際に使用する労働者が増えているようだ。陽性反応が出た労働者はコロラド州で11%、ワシントン州で9%、それぞれ増加した。いち早くマリフアナ使用を合法化した両州は、全米の2倍以上のペースで使用が増えたことになる。

 合法化される以前には、両州での使用傾向は他州と変わらなかった。

 コロラド、ワシントン両州の雇用主は、マリフアナの陽性反応が出た人物を解雇したり、採用を見送ったりすることができる。一方、メーン州などもっと後に制定された法律では、マリフアナ陽性反応が出た従業員の扱いについて、雇用主の裁量が狭い。

 検査対象となっている労働者や求職者から国民全体に範囲を広げると、国立衛生研究所(NIH)による最新の分析によると、15年の政府調査では26歳以上のうち6.5%が前月にマリフアナや大麻を使ったことを認めた。18~25歳では、この割合は19.8%に高まる。

 雇用主にとってはコカインの陽性反応が増え続けていることも懸念材料だ。特に職場での事故後に行われた薬物検査で増加が目立つ。クエストの検査では、労働者の0.28%で陽性反応が出た。事故後の検査で陽性反応が出る割合は、雇用前の検査の2倍以上だ。

 クエストの幹部バリー・サンプル氏は「検査では事故の原因がコカイン使用だったのか否かは分からないが、コカインが何らかの影響を及ぼしたかもしれないとの懸念は確かに高まる」と述べた。

 アンフェタミン(注意欠陥多動性障害の治療薬として処方されるアデラルを含む)の陽性反応は労働者の1.1%と、15年の0.97%から増加した。メタンフェタミンの陽性反応は12~16年に約6割増加し、16年は0.18%だった。

 改善した分野もある。オキシコドンなどオピオイド系処方薬の使用が減少しているとみられることだ。16年には、ヘロインの陽性反応も横ばいに転じた。過去には違法オピオイド処方薬の取り締まりを受け、ヘロイン陽性反応は増加していたとサンプル氏は述べた。

By Lauren Weber

最終更新:5/17(水) 9:32

ウォール・ストリート・ジャーナル