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<高浜原発>再稼働に小浜元市議会議長「蚊帳の外おかしい」

毎日新聞 5/18(木) 0:05配信

 ◇脱原発訴え続ける

 関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町)は17日、県や高浜町などの地元同意を得たとして再稼働した。地元住民や周辺自治体などからは、「負の遺産だ」との批判や「経済活性化になる」との歓迎の声が渦巻いた。

 原発立地自治体に挟まれた人口約3万人の小浜市の市議会は東京電力福島第1原発事故後、脱原発にかじを切っており、当時の議長は複雑な思いで受け止めた。

 「原発に近い我々が再稼働協議の蚊帳の外に置かれているのはおかしい」。元小浜市議会議長の池尾正彦市議(74)は再稼働に強い疑問を呈した。

 同市を含む2市4町からなる福井県嶺南地方には、原発15基(廃炉中を含む)が立地している。市の西には関電の高浜、大飯、東に美浜の各原発があり、距離も10~30キロと近い。立地自治体と桁は違うが、1974~2016年度に計約76億円以上の電源三法交付金を受け取った。

 だが市議会は11年6月、「原発からの脱却を求める意見書」を全会一致で初めて可決し、期限を定めて原発から脱却するよう国に求めた。当時、議長として意見書をまとめた池尾市議は「福島の事故を見て、タブーだった脱原発へ政治生命を懸ける時だと考えた」という。

 意見書への反発は大きかった。同年8月、嶺南市町議長会で同様の議案を提案したが、敦賀市と美浜、おおい、高浜、若狭の4町の議会全てが不採択に。池尾市議は原発関係の仕事をする後援者から「もう応援しない」と言われた。だが、意見書を基に脱原発を訴え続けた。

 小浜市に立地自治体並みの事前了解や立ち入り調査の権限はない。関電は地元同意を得たとして再稼働の準備を着々と進めた。池尾市議は「電気に命をかけるのは釣り合わない。これからも脱原発を訴える」と話している。【高橋一隆】

最終更新:5/18(木) 0:16

毎日新聞