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日本経済、輸出が後退すれば回復鈍化も 賃上げなど内需の強化急務

SankeiBiz 5/19(金) 8:15配信

 1~3月期GDPが5四半期連続でプラス成長となったのは、世界経済回復を背景に、輸出がアジア向け中心に好調だったことが大きい。内需の要である個人消費も堅調だったが、野菜価格高騰という昨年10~12月期の下押し要因が解消したことが大きく、実際は勢いを欠く。トランプ米大統領のロシアとの結託疑惑など、米欧の政治情勢は波乱含みで牽引(けんいん)役の輸出が後退すれば日本経済の回復が鈍化しかねない。

 「消費者心理が若干持ち直した上、海外経済が予想以上に良く、輸出が増加した。日本経済は緩やかな回復基調が続いている」。石原伸晃経済再生担当相はGDP発表後の記者会見でこう分析した。輸出を主に引っ張ったのは「アジア向けの半導体製造装置や自動車部品」(内閣府幹部)だ。

 個別企業では、ソニーが1~3月期、スマートフォンのカメラに使う画像センサーの販売数量が輸出向けを中心に大幅に伸び、半導体分野の売上高が前年同期比36%増になった。

 輸出として計算される訪日外国人客の消費も堅調で、西武ホールディングスは「客室単価が高い施設に泊まる欧米人も含め、訪日客を積極的に取り込む」(高橋薫常務)として、ホテルの新設や改装を加速する。

 ただ内需は力強さを欠く。1~3月期の個人消費は数字上、好調だったが「10~12月期が弱かった反動の側面がある。景気回復の実感は得られにくい」(明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミスト)。

 品目別でも消費拡大はスマホや衣服などに限られ、「国内化粧品市場は訪日客向けを除けば横ばいか縮小気味だ」(資生堂の直川紀夫最高財務責任者)との声が出ている。

 一方、世界経済の回復を背景に、設備投資は「回復基調にある」(内閣府幹部)。トヨタ自動車は18年3月期に1兆円超計画。ソニーも17年度内に総額1100億円で大分県の工場増強などを行い、三菱電機も人工衛星の世界シェア拡大に向け、設備増強策を打ち出している。だが、今後は「海外動向が(輸出や設備投資を停滞させ)国内景気を押し下げるリスク要因になるか、みる必要がある」(全国銀行協会の小山田隆会長)。

 欧州連合(EU)離脱の動きや北朝鮮による核、ミサイルの開発加速などリスク要因は増えており、日本経済はこうした情勢に左右されないよう、生産性向上や賃上げを通じ内需の抜本的強化を急ぐ必要がある。

最終更新:5/19(金) 8:15

SankeiBiz