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てるみくらぶ事件 取引先が破たん・倒産した場合どうなるのか?

経営者online 5/18(木) 6:40配信

顧客の旅行者のみならず、広く話題となった「てるみくらぶ」の破たん。「てるみくらぶ」の影響によりグループ外でも初の連鎖倒産が起きたが、自分の会社の取引先が倒産し場合どうなるのだろうか。

■損金として経常できるのはいつ?

まず貸倒が発生したといっても、すぐに経費計上できない。法人税法では、貸倒損失の細かな規定が存在するからだ。一般的に、貸倒損失の計上は、法律上、事実上、形式上に分類されている。

法人税では、金銭債権について債務者の資産状況、支払い能力などから見て全額が回収不能となった場合、取引停止度1年以上経過した場合、少額で取立費用に満たない場合、取引先の災害により免除した場合には、貸倒になった事業年度に貸倒損失として損金算入が可能となる。法律上は、会社更生法、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律、会社法、民事再生法の規定により切り捨てられた金額となるので明らかに連鎖倒産第1号のような破産倒産した場合、経理上貸倒損失として経費計上ができる。

また、法律上まだ破産していなくても、継続的な取引を行っていた債務者の資産状況、支払能力等が悪化したため、その債務者との取引を停止した場合には金額面で次のような状況であれば経費計上できることもある。

要件としては、取引停止の時と最後の弁済の時などのうち最も遅い時から1年以上経過したとき、または同一地域の債務者に対する売掛債権の総額が取立費用より少なく、支払を督促しても弁済がない場合には、その売掛債権の額から備忘価額を控除した残額を貸倒れとして損金経理をすることができる。

この場合、回収できるよう最善を尽くしたかが重要である。最善を尽くす策としてどのようなことを行えばよいかというと、具体的には一つめは内容証明にて郵便をだしておくことである。二つめは取引先まで訪問した場合、交通費がいくらになるか見積もりを出しておき書き留めておくとよい。その交通費が売掛債権を回収するより高額になる場合は、この要件をみたすことになる。

■債権放棄をした場合どうなるのだろうか

債権放棄を書面にて行った場合でも、そのことをもって無条件に貸倒損失に計上することはできない。貸倒損失として計上した金額は、債務者に対する寄付金と認定されることもあるので注意が必要である。

債権放棄が寄付金に該当しないためには、当該債権放棄がやむをえず行われる必要性と、債権放棄についての相当な理由が認められることが重要であるのできちんと専門家と相談して処理しておく必要がある。くれぐれも勝手な自己判断で回収できないから、貸倒だと判断するのはやめておく必要がある。

最後に、上述の内容を踏まえきちんと会計処理をしたにもかかわらず、証憑がそろっていないと経費計上は認められない。破産申立書・破産事件経過通知書の写しなどを保管しておく必要がある。また、その事実が生じた年度に、全額を損金計上(経費計上)する必要があるので翌年度に処理をもちこさないよう注意すべきである。

最終更新:5/18(木) 6:40

経営者online