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「子ども食堂」多様に 県内20カ所で運営

茨城新聞クロスアイ 5/18(木) 8:00配信

子どもたちが無料や低料金で利用できる「子ども食堂」が県内でも広がりを見せている。少なくとも20カ所で運営されているとみられる。子どもの貧困問題の一環としての取り組みが注目されるが、地域の交流の場として設けられるなど、手法や狙いはさまざまだ。 (筑西支社・平野有紀)


下妻市内のコミュニティーカフェ「ぷらっとほーむ」で月1回開かれる「ほぺたん食堂」。いばらきコープ生活協同組合が昨年5月にオープンさせた。スタートから1年がたち、毎回30人前後が利用している。温かい夕食を食べ、勉強もできる触れ合いの場を目指している。

4月は3歳から高校生の子ども10人、大人9人が参加した。JAなどから食材の無償提供を受け、子ども100円、大人300円で食事を提供する。ボランティアも含め、室内は和気あいあいとした雰囲気。3歳の孫を連れた女性(76)は「この雰囲気が好きで、毎回来ている」と話す。

県内各地の同生協組合員の女性らが集まり、調理を担っている。同生協理事の市原るり子さんは「近隣に住むボランティアが増えている。地域全体でどう子どもたちを見守っていくか、地域の人が考えるきっかけとなれば」と力を込める。

同生協は常総市でも2月に子ども食堂をオープンさせた。本年度中にさらに3カ所で開設を目指す。

■ほっとする場
筑西市藤ケ谷の子ども食堂「有りの実」は、同市在住の女性24人が運営する。3月まで市の施設を借りて運営していたが、4月から場所を移してリニューアルオープンした。毎週月曜、自称「おせっかいおばちゃん」という有志の女性たちが夕食を用意し、利用者を迎える。

4歳の双子を持つ母親(43)は「一人親なので、普段は私としか食事をしないが、ここに来ればいろいろな人と一緒に食事ができる」と喜ぶ。利用者同士の交流が生まれ、子ども服のお下がりをもらったこともあるといい、「ありがたい」と感謝する。

子どもだけでなく、1人暮らしの高齢者も受け入れている。20人程度とする定員を超えることも多くなってきたという。

代表の谷貝順子さん(67)は「子ども食堂と言うと『貧困』のイメージがあり、逆に参加しにくいということもあるようだ。子どもだけでなく、地域の人たちがほっとする場をつくりたい」と地域の人たちを幅広く受け入れたい考え。

■「二極化」
NPO法人「NGO未来の子どもネットワーク」(龍ケ崎市)は、経済的に困難な家庭の子どもたちを対象にした無料塾を運営しながら、一人親世帯に限定して週2回、無料で食事を提供している。

同団体は「子どもの貧困は表に表れにくい。より厳しい状態にある子どもを支援していきたい」と活動の狙いを話す。

認定NPO法人・茨城NPOセンター「コモンズ」によると、県内の子ども食堂は把握できただけでも20カ所に上るとする。

コモンズ事務局長の大野覚さんは、各食堂の運営や活動状況を共有しようと実施した調査の結果を踏まえ「食堂の在り方として、生活困窮者支援とコミュニティーサロンの二極化傾向がみられる」と指摘。さらに「アプローチが多様になる中で、どれが正解というのはない。取り組みの中で見えたものや子どものSOSをキャッチし、食事以外の支援にもつなげていけるといいのではないか」とアドバイスする。

茨城新聞社

最終更新:5/18(木) 13:01

茨城新聞クロスアイ