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男の名はラジヤ・バンビ 城壁の完成を願い自らの命をマハラジャに捧げた

5/21(日) 14:40配信

THE PAGE

 陽が傾き、暑さが幾分和らいできた頃、メヘラーンガル城からジヨードプルの城下町を見下ろした。

フォトジャーナル<インド~偉大なる領主マハラジャ>- 高橋邦典 第45回

 時のマハラジャであるラオ・ジョダがジョードプルの街づくりに着手したのが1459年。今から550年以上も前のことだ。メヘランガル城壁の着工も始められ、その後、歴代のマハラジャたちによって拡大していった壁は、全長5キロを超えるに至った。

 こんな逸話がある。ラオ・ジョダが城壁を建設するにあたり、災難払いのために、人柱として一人の男がその基礎に生き埋めにされた。男の名はラジヤ・バンビ。城壁の無事な完成を願って自らの命を捧げたバンビの家族は、マハラジャから永遠の加護を約束されたという。現在も彼の子孫はジョダより譲られた敷地に住んでいる。

 一人の男の命によって支えられたメヘランガルの城壁。そんな裏話を胸にこの城壁に立つと、橙色に変わって行く夕暮れの街並みが、なんだか哀愁を帯びてくるようにも思えた。

(2016年4月撮影)

※この記事はTHE PAGEの写真家・高橋邦典氏による連載「フォト・ジャーナル<インド~偉大なる領主マハラジャ>」の一部を抜粋したものです。

最終更新:5/28(日) 6:13
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