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中1ギャップ軽減へ 連携進む鉾田北小・中

茨城新聞クロスアイ 5/18(木) 12:00配信

鉾田市鉾田地区の5小学校の統合で誕生した同市立鉾田北小と、同じ敷地内にある鉾田北中学校(いずれも同市上冨田)の連携が進んでいる。同小6年の理科は中学教員が担当する専科制。今月からは小学教員も同中で英語の授業を実施する。両校は「隣接校ならではの特色を発揮したい」としており、今後も付加価値のある教育を提供したい考えだ。 (鉾田支局・大平賢二)


「金属が燃えると思う人は?」。5月中旬に実施された6年生の理科実験。同中の来栖祥太教諭(27)が、スチールウールや小学校の授業では本来使わないマグネシウムリボンを手に児童たちへ問い掛けた。

「高温で溶けるから燃えるはず」「燃えて気体になるのでは」「金属は火に強いから燃えない」-。子どもたちは思い思いの予測を胸に実験を観察。スチールウールが火で赤く染まったり、マグネシウムが激しく燃焼する様子に目を輝かせた。

実験では、金属は燃えたが二酸化炭素は発生しなかった。二酸化炭素が発生しない理由は中学2年で学ぶ内容。来栖教諭は「続きは中学校でやるよ」と巧みに児童の関心を誘う。

来栖教諭は「子どもたちに(授業内容が)学年を超えてつながっていると感じてもらえれば」と語り、学習の系統性を意識した指導が子どもたちの能力を引き出すために欠かせないと強調する。



同小は2016年4月、鉾田地区北西部の5小学校(巴第一、大和田、徳宿、舟木、青柳)が統合し、鉾田北中に併設される形で開校。中学教員2人が6年生3クラスの理科を担当し、各クラスの担任は授業のサポートに回る。

今月1日には、同小で英語活動を担当する教員が、中学校との兼務の辞令を受けた。担当するのは中学1年の英語。別の中学教員とティーム・ティーチング(TT)で生徒を指導する。県教育委員会によると、小学教員が中学教員を兼務するのは県内で4校8人(5月15日現在)だけだ。

同小・中が同じ敷地という利点を生かした形で、同小の豊田昌幸校長は「顔なじみの先生なので、(生徒の)発達段階に応じたきめ細かい指導が展開できるようになる」と新たな教育効果に期待する。



義務教育の9年間を同じ施設で過ごす小中一貫、両校のように近隣校同士が協力する小中連携、いずれの教育も、小学生が中学進学時に直面する「中1ギャップ」の軽減が狙いの一つに挙げられる。両校を兼務する教員が小6と中1の授業を受け持つ狙いも同じだ。

先輩後輩という、中学で体験する新たな人間関係に対する心理的な負荷軽減にも期待が高まる。同じ敷地内にある両校では、顔を合わせた児童と生徒がハイタッチを交わす光景も珍しくないという。

同中の大原甚一校長は「物理的な距離が近く、知っている先生もいることで、(児童の)心理的なハードルも相当低くなっている。中学進学に対して、不安より期待が上回るようにできれば」と語り、今後も連携を加速させたい考えだ。

茨城新聞社

最終更新:5/18(木) 13:01

茨城新聞クロスアイ