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現代のマハラナは語る「政治に距離を置いたほうが市民のためになれる」

5/27(土) 14:40配信

THE PAGE

 ウダイプールのマハラジャは、伝統的に「マハラナ」と呼ばれている。この土地のマハラジャは勇敢で、ムガル帝国時代も英国植民地時代も、時の支配者に屈して服従することがなかったという。一目置かれるようになったそんな彼らに、最大級の敬意の込められたマハラナという呼称がつけられた。

フォトジャーナル<インド~偉大なる領主マハラジャ>- 高橋邦典 第45回

 現在のマハラナである、アービンド・シンを訪れた。

 邸宅であるシティ・パレスに迎え入れてくれた、真白で豊富なあご髭を蓄えた大男を見て驚いた。壁に掲げられた彼の祖父と瓜二つだ。眼光鋭く、勇猛でありながらも気品を兼ね備えた、特別なオーラを放つ。なかなかこんな人物にお目にかかれることはない。

 話を聞くために訪れたのに、好奇心旺盛な彼に出鼻をくじかれた。「私のことは資料を見れば分かる」と言って、日本の政治のことから寿司に至るまで、逆にこちらが質問責めに合う羽目になったのだ。

 「政治家になれと勧める人も多いけれど、しがらみの多い政治から距離を置いている方が、市民のためにできることは多いと私は感じます」

 確かにこの人物には人を惹きつける力がある。

 「マハラナとして、伝統を守りながらも、固執せずにそれを発展させて21世紀のニーズに合わせていくことが必要」

 柔軟な発想と、合理的な思考を持ったアービンドは、まさに「現代のマハラナ」と呼ぶのにふさわしい男だった。

(2016年4月撮影)

※この記事はTHE PAGEの写真家・高橋邦典氏による連載「フォト・ジャーナル<インド~偉大なる領主マハラジャ>」の一部を抜粋したものです。

最終更新:6/2(金) 6:08
THE PAGE