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企業の就労支援やダイバーシティー活発化 障害者との交流で新たな発見

SankeiBiz 5/19(金) 8:15配信

 2018年度からの精神障害者の雇用義務化と、それに伴い想定される法定雇用率の引き上げを見越して、企業の間で障害者就労の支援や、多様な人材を活用するダイバーシティーを訴求する動きが活発だ。

 全国約60カ所で障害者向けの就労支援事業所を展開する、ソーシャルベンチャーの代表格がLITALICO(リタリコ)。就労に必要な知識や能力の向上を図る訓練のほか、面接などの指導も行う。また、採用側と障害者との相互理解を深めるためには交流の場が不可欠という考えから、各地での合同企業説明会の開催に力を入れる。この結果、16年度の就労者数は940人と過去最多を記録した。

 4月下旬には品川シーズンテラス(東京都港区)で、「ユニバーサルキャンプTOKYO2017」が開催された。同ビルに本社を構える丹青社が音頭を取って、キヤノンマーケティングジャパンや森永乳業など地元を拠点とする企業と連携して企画した。年齢や障害の有無にかかわらず、一緒に生き生きと暮らせる社会を実現するのが目的だ。

 2日間にわたって行われたイベントでは、パラリンピックメダリストのトークショーやブラインドサッカーなどの体験プログラムを用意した。セミナーでは、多様な特性のある講師から仕事や日常の不便さや知恵・工夫を聴き、参加者はダイバーシティーの理解を深めていった。

 こうした中、企業の全般的な動きを見渡すと、まだまだ遅れている。野村総合研究所が昨年、特定子会社を持たず自社で障害者を雇用する上場企業を対象に実施した調査によると、法定雇用率(2%)より高い2.2%以上の雇用率を達成している企業は15%に満たなかった。また、採用している場合でも「仕事が続かないケースが目立つ」(リタリコ)といった問題が大きなリスクとして浮上しつつある。

 障害者支援やダイバーシティーの推進は単なる社会貢献活動ではない。多くの障害者と接点を持てばそれだけ、どういった製品・サービスが求められているかが認識できる機会に恵まれ、イノベーションを生み出す可能性があり経済効果も大きいからだ。各社の取り組みをいかに横展開できるかが、今後の重点課題となる。

最終更新:5/19(金) 8:15

SankeiBiz