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湖上の宮殿を高級ホテルに改装「歴史や文化を後世に伝えなくてはならない」

5/28(日) 14:20配信

THE PAGE

 「世界で最もロマンチックなホテル」とも言われるウダイプールのレイク・パレス。湖上の宮殿は1746年にマハラナ・ジャガット・シン2世によって建てられた。

フォトジャーナル<インド~偉大なる領主マハラジャ>- 高橋邦典 第45回

 若い王子であったジャガットが、城で月夜を見ながら女性たちと戯れるのを咎められ、それならと自らの遊戯用に建てたものだ。なんとも贅沢な話ではある。その後、マハラジャたちの晩餐会や鴨狩りのベースとして使われていたが、時が経つにつれこのパレスも忘れられた存在となってしまった。

 1960年代、見るも無残に廃れ果てたこの宮殿に新たな息吹を与えたのが、マハラナのバグワット・シン。アービンドの父親である。彼は湖の宮殿を高級ホテルとして改装するが、この決断には金の無駄だと周囲からの猛反対があったという。

 「歴史や文化を後世に伝えなくてはならない」

 そんなマハラナとしての使命感と、ビジネスの先見の明をバグワットが持っていたからこそ可能な大仕事だった。

 インドでは多くの歴史的で貴重な建造物が守られることなく、勝手に占拠されたり、破壊されたりすることが珍しくはない。バグワットの決断がなければ、レイク・パレスも今頃、朽ち果てた鳩の住処となっていたかもしれない。

(2016年4月撮影)

※この記事はTHE PAGEの写真家・高橋邦典氏による連載「フォト・ジャーナル<インド~偉大なる領主マハラジャ>」の一部を抜粋したものです。

最終更新:6/2(金) 6:05
THE PAGE