ここから本文です

マハラジャ文化と慣習は今も ラジャスタンの人々のインド一のおもてなし

6/2(金) 14:20配信

THE PAGE

 「ラジャスタンの人々のホスピタリティーはインド一だ」

 行く先々で人々の口からこんな言葉を耳にした。ホスピタリティーとは「もてなし」の心。宿泊したホテルでも、机上に散らかした携帯電話やパソコンの充電コードまで束ねておいてくれるハウスキーピングの細やかさや、常にゲストに気を払い、付かず離れずの絶妙な感覚で給仕するウエーターの心得に脱帽した。単に高級ホテルだからという以上に、特別の気遣いを持ってゲストに居心地の良さを与えてくれるのだ。

フォトジャーナル<インド~偉大なる領主マハラジャ>- 高橋邦典 第45回

 ラジャスタンは、国内でもっとも封建色が強く、インド独立後もマハラジャの文化や慣習が色濃く残された州だが、「もてなし」の心は、ここに関係しているようだ。マハラジャは、地元の言葉で「アン・ダッタ」とも呼ばれることもある。「アン」とは食べ物、「ダッタ」は与える者。民衆に食い扶持を与え、世話をする存在というわけだ。それに対し、民衆は敬意をもってマハラジャに仕えた。支配する側とされる側という一方的なものではなく、相互補助のような関係だったのだろう。そんな歴史のなかから、敬意をもって人をもてなす精神が育まれていったのかもしれない。

 「リスペクトは、ラジャスタンのカルチャーであり、伝統でもあるんです」

 宮殿ホテルのフロント・マンが、誇らしげに言った。

(2016年4月撮影)

※この記事はTHE PAGEの写真家・高橋邦典氏による連載「フォト・ジャーナル<インド~偉大なる領主マハラジャ>」の一部を抜粋したものです。

最終更新:6/8(木) 6:08
THE PAGE