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論文代わりに「食」を発表、自慢の逸品ずらり…第10回「大学は美味しい!!」

リセマム 5/18(木) 19:30配信

 新宿高島屋は5月18日から23日までの6日間、大学が開発した食品や製品が一堂に会する特別展「第10回 大学は美味しい!!フェア」を開催する。商品開発や研究に携わった学生らが、ゼミや学部で取り組んだ自慢の逸品を直接ブースで販売する。

技術に自信!笑顔あふれるブースにおじゃました(写真全17枚)

 プロジェクト88が主催する「大学は美味しい!!フェア」は、「論文の代わりに製品で『食』の研究成果を伝える」をテーマに、2012年から全国を舞台に開催されている特別展。10回目会場の新宿高島屋では、開店前の午前9時50分ごろから正面入口に人だかりができ、催会場11階へ直結するエレベーターはすぐにいっぱいとなった。過去にも来場したことがあるという、都内住在の婦人2人組は、「(前にも新宿)高島屋でイベントがあったとき、買って食べたら美味しかったハチミツを思い出しました。あるなら、もう一度買いたい」と笑顔で語った。

 ファンもつくこのイベント、訪れる魅力は開発に携わった学生の顔が見えることだ。学生らは売り場に立ち、来場客に向け商品の開発背景や特徴、研究成果について語りかける。これまでに同イベントを経験している学生も多く、呼び込みや試食の誘導もお手の物。地域に根ざした商品の見どころは、店頭に立つ学生に尋ねてみよう。

◆自信たっぷり、7大学が初参加

 第10回が初参加となる大学・学部は、山口大学農学部、名城大学、梅花女子大学食文化学部、自由学園最高学部、静岡県立大学食品栄養科学部、摂南大学経営学部、長岡大学経済経営学部。

 静岡県立大学食品栄養科学部の准教授、市川陽子氏は「『大学は美味しい!!』への出展はずっと希望していたことでした」と語る。同大学は、野畑を荒らし木の芽を食べてしまう、獣害としての側面を持つ「鹿」の肉を使った商品を販売中。ジビエとして近年注目されている鹿肉だが、より一般に広く賞味してもらえるよう、6年前から鹿肉を使った商品の開発に取り組んできたという。栄養学博士、管理栄養士でもある市川氏によると、鹿肉は和牛や豚肉と比べ、鉄分が豊富。高タンパクで低脂質なため、「ぜひ食べてみてほしい食品」と太鼓判を押した。鹿肉100%の「イズシカめんち」は1個250円。ブース販売のほか、イートインコーナーでは、大学の地元である静岡県清水区由比の「ごはん屋 さくら」でも提供されているという「イズシカめんち定食」(1,200円)を提供中。

 越後長岡の酒蔵「越銘醸」の日本酒、「越の鶴」純米吟醸を使ったクリームソース「薫酒クリームチーズ~lie-fromage~」を販売しているのは、長岡大学経済経営学部。鼻から抜ける香りと、なめらかな舌触りが好評だ。名城大学は、農学部の学生らがカーネーションから生み出した酵母を利用した日本酒「華名城」と、酵母を使ったアイスクリーム1個250円を販売中。アルコールや酒粕類を活用した商品を販売するブースには、男性客の姿も多く見られた。

 「経済学部なので、人の目をひく商品のキャッチフレーズについても学生が考えました」と笑顔が弾けるのは、摂南大学経営学部。「カレーに乗せてはいけない福神漬け」と題し、酒のつまみやパスタ、チャーハンなどに彩りを沿える、“食卓の主役”としての福神漬け130g(350円)を販売中。先輩学生らが大阪府寝屋川市のベンチャービジネスコンテストで初代グランプリに輝いた経験を持ち、その賞金をもとに発案を商品化までこぎつけたという。

 教授と学生の距離が近く、来場客に積極的に商品説明をしている学生の姿が見られたのは梅花女子大学食文化学部。学生らが耕し、面倒を見、収穫まで一貫して行った大阪府茨木市のブランドいも「宙(そら)いも」を使ったどらやき、「宙(そら)どら」も同時に販売中。宙いものパッケージイラストを考案した川田さんも店頭に立っており、自らの手で販売している。でんぷん粉や米粉を使わず、「もち小麦」だけで作った「もち姫食パン」も好評販売中。食文化学部管理栄養学科の学科長、藤田修三教授も自ら試食を切り分け、学生と協力し製品の魅力をアピールしている。

 県の特産品を生かした商品を販売しているのは、山口大学農学部と自由学園最高学部。山口大学農学部は、香りの研究を専門とする教授と学生らが生み出した「SCENT(セント)・マカロン」(2種・8個入り、380円)を出品。指の先にころん、と乗るほどかわいらしく、香り豊かなマカロンだ。地元の洋菓子店「パティスリー ププレ」とコラボした洋菓子も扱っている。自由学園最高学部は、宮城県石巻市北上町十三浜の震災復興支援から生まれた商品「パンdeわかめ」を中心に販売(60g200円)。茎わかめをたっぷり練り込み、同学園のパン工房で焼き上げた自慢の品だと、宮城県大崎市出身の女子学生は力強く語った。

◆会期は5月23日(火)まで

 第10回の参加大学は全36校。今回はさらに、関西大学、東京大学、玉川大学の3大学が話題の飲食店とコラボレートした特別企画も実施中。東北大学、筑波大学、神田外語大学、名古屋大学など10大学は「大学の酒」を集めた日本酒バーを開設しており、出展大学のOBだという男性が日本酒をたしなむようすが見られた。イートインスペース「大学食堂」も開店中。

 食からおやつ、デザート、そしておつまみまで、ありとあらゆる食欲を満たす知の祭典「大学は美味しい!!」フェア。産学連携の取組みが後押しする例も含め、学生らの独創性や研究力、開発力やブランディングの力などに触れる良い機会だ。第10回「大学は美味しい!!」フェアの開催期間は5月18日から23日まで。各日とも午前10時に開場し、5月19日と20日は午後8時半まで、最終日は午後6時まで開催する。

《リセマム 佐藤亜希》

最終更新:5/19(金) 11:22

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