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<ササシグレ>幻のコメ復活に挑む

河北新報 5/18(木) 13:30配信

 ササニシキの父で、宮城生まれの「幻のコメ」とされるササシグレの栽培に、宮城県白石市の農家が取り組んでいる。食味が良く、約60年前には県内や東北の人気品種だったが、栽培が難しいため現在の生産者は少ない。農家は「『コメの貴婦人』と称されたおいしさを多くの人に知ってほしい」と力を入れる。

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 同市大鷹沢の農家大野明さん(68)が今月上旬、近隣住民の手を借りながら、近くの水田65アールに苗を植えた。20年ほど前、ササシグレを約25アールで収穫したが、その後病害に遭うなどして継続的な生産を断念した。

 「さっぱりとした食感と程よい甘みが忘れられない。食味の良さを知る世代がまだ元気なうちに、もう一度味わってもらいたい」と大野さん。石巻市の生産者らでつくる「本石米ササシグレ普及会」に入り、約20年前から栽培に取り組む太田俊治代表(61)から種もみを約20キロ譲り受けた。

 県古川農業試験場で生まれたササシグレは1950年代後半から60年代前半、県内の水田の半分以上で栽培され、作付面積が東北一になったこともある。いもち病に弱く、倒伏しやすいため次第に栽培されなくなり、後継のササニシキに切り替わった。

 数年前から大崎地方を中心に復活の機運が高まっている。2014年には再び県の産地品種銘柄に認定され、県内産は商品包装に明記できるようになった。祝いの席では定番の宮城の民謡「さんさ時雨」にちなんで命名されたかつての人気品種。大野さんは「縁起のいいコメを埋もれさせるのは惜しい。次の世代に引き継げるよう白石からも広めたい」と話す。

最終更新:5/18(木) 14:36

河北新報