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米下院通過で衝撃が 「トランプケア」は一体どうなる?

日刊ゲンダイDIGITAL 5/18(木) 9:26配信

コラム【ニューヨークからお届けします】

 トランプ大統領の新たな健康保険法「トランプケア」が下院を通過し、大きな衝撃を与えています。6月に上院で可決されれば、選挙戦の時からの最大の公約だった「オバマケア」の撤廃と、新たな健康保険法の制定が実現することになります。

 今回、下院で可決された法案は、以前このコラムでも紹介したことがある初代トランプケアではなく、2度目の法案です。つい最近提案され、過熱する北朝鮮問題の陰に隠れてその内容は一般にほとんど知られることなく、強引に下院を通過してしまいました。

 しかし結局のところ、「多くのアメリカ人が保険を失う」という図式はあまり変わっていません。オバマケアでは、低所得などで保険に未加入だった4900万人のうち2600万人が加入したと推定されていますが、トランプケアでは向こう10年間で2400万人が保険を失うと予測されています。

 つまり最もダメージを受けるのは、トランプ大統領を支持するブルーカラーのアメリカ人。彼らの中には自分がオバマケアに入っていたことを知らなかった人がたくさんいたという笑えない話もあります。

 なぜなら、「オバマケア」という名称自体に拒否反応を起こす人が多かったので、州によっては「アフォーダブル・ケア・アクト」という正式名称を使って施行していたからです。それを知らずに「オバマケア」に反対し、トランプ氏に投票した人も少なくありません。

 そもそも、このような“残酷”な法改正をなぜ行うのか? 「オバマケアは金がかかりすぎる上、問題が多くいずれは崩壊する」が改正推進派の言い分です。一方、アメリカ人の6割以上は、オバマケアをキープしたまま改善すべきと考えています。

 強引に法改正すればトランプ大統領の命取りにもなりかねないわけですが、矛盾点も多く、はたしてこのまま上院を通過するかどうかを疑問視する声も高まっています。

(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター)

最終更新:5/18(木) 9:26

日刊ゲンダイDIGITAL