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本来、輸出入禁止のはずのE-wasteが発展途上国に流通し、汚染する不思議

6/11(日) 14:20配信

THE PAGE

 「ほとんどの部品はまた使えるさ」

 山積みになった壊れたパソコンのモニターを前に、リサイクル業を営む男が言った。まだ10代の若い労働者たちに、トラックへの積み込みを指示している。モニター数十台を解体工場へ運んでいくのだ。

フォトジャーナル<人口増加の脅威>- 高橋邦典 第46回

 インドの首都デリーの東部。イスラム教徒が多く住む地区に、廃棄された家電製品を処理する一角がある。パソコンや携帯電話など、俗にE-waste(電気電子廃棄物)と呼ばれるゴミだ。E-wasteの中には、鉛や水銀などの有害物質を含むものが多く、そのまま埋められたり燃やされたりすると、環境に大きな悪影響を及ぼすことになる。

 家電の値段は年々下がり、消費量は増える一方。アメリカやEU、日本などの先進国では、年に何億という数の携帯電話が破棄されるが、アメリカでのリサイクル率はわずか6割ほど。先進国で回収された電話端末の多くは西アフリカやアジアに送られ処理されることになる。

 本来E-wasteを輸出入することは禁止されているが、通常のリサイクルは経費がかかるので、闇市場に流され、機能しなくても「中古品」として名目で取引されるのだ。これが途上国の環境汚染や健康リスクを悪化させることになる。

 僕らの使っている携帯やパソコンも、何年もしないうちに異国の地を汚染する廃棄物になると思うと、そう易々と新機種に買い替えるのもはばかられる気がする。

(2015年6月撮影)

※この記事はTHE PAGEの写真家・高橋邦典氏による連載「フォトジャーナル<人口増加の脅威>」の一部を抜粋したものです。

最終更新:6/16(金) 6:05
THE PAGE