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<違法薬物輸入>紙片使う特殊手口 外国語指導助手を逮捕

毎日新聞 5/18(木) 9:18配信

 麻薬及び向精神薬取締法違反(輸入)容疑で山形県鶴岡市の米国籍外国語指導助手(ALT)が逮捕された事件で、違法薬物の輸入は紙片に染み込ませた特殊な手口だったことが17日、捜査関係者への取材で分かった。税関などでの摘発を逃れるため、錠剤、粉などに比べ、発見が難しい紙片を使ったとみられる。【松尾知典、的野暁】

 捜査関係者によると、逮捕された鶴岡市下山添、地方公務員、米国籍のボスウェル・マイルズ・ネイドン容疑者(24)がオランダから違法に輸入したとされ、3月に横浜税関川崎外郵出張所で見つかった紙片はA5サイズ(縦21.0センチ、横14.8センチ)ほど。

 捜査機関による鑑定で、違法薬物のLSD、コカイン、ケタミン、MDMAが検出された。他の薬物が含まれている可能性もある。紙片は切手サイズほどの大きさに区切られ、切り取れるようになっていた。複数回使用できるようになっていたという。

 違法薬物に詳しい東京福祉大教育学部の栗原久教授(神経行動薬理学)によると、麻薬を使用する際は注射、経口摂取などが一般的。紙片状のものに薬物を染み込ませた場合は▽水に浸して浮き出てきた成分を飲む▽舌でなめる--などの方法がある。

 ただし、今回の事件のように4種類の薬物を混合させるケースは珍しく、栗原教授は「最も強力なLSDの幻覚作用をさらに強めるため、他の薬物を混ぜたのではないか」と推測する。

 県内での違法薬物の輸入に関する容疑での摘発件数は2013年以降、計4件。いずれも、紙片ではなかった。今回の事件を県警と合同捜査している東京税関酒田税関支署は「最近10年間をみても、同様の例はない。紙片が使われた事件は県内では初めてではないか」とする。

 厚生労働省麻薬取締部も、今回のケースを珍しいとする。複数の薬物を同時に摂取することは人体への影響が大きいためだ。一般論としながら「粉やカプセルなどよりは外観上、薬物とは分かりにくい。発見を難しくしようとしたのではないか」と指摘する。

 ◇県警が容疑者送検 

 県警は17日、ボスウェル容疑者を山形地検酒田支部に送検した。東京税関酒田税関支署は同容疑者を関税法違反(輸入物の禁止)で、同支部への告発を検討している。捜査関係者は「紙片が使用されるという珍しいケースだ。慎重に捜査を進める必要がある」と打ち明けた。

最終更新:5/18(木) 11:25

毎日新聞