ここから本文です

Facebook、企業向けSNS「Workplace」国内導入

5/18(木) 7:40配信

ITmedia ビジネスオンライン

 Facebook日本法人は5月17日、企業向けSNS「Workplace by Facebook」を日本市場に導入したと発表した。国内ではビジネスSNSの普及は進んでおらず、月間2700万人のFacebookユーザーを擁する強みを生かし、浸透させていきたい考えだ。

【Workplace、どのように使われている?】

 Workplaceは、社内の情報共有やコミュニケーションを促進するSNS。通常のコメント書き込みだけではなく、アンケート作成、データ共有、簡単なドキュメント作成、ボイスコール、ビデオコール、チャット、さまざまなクラウドサービスとの連携――といった機能を備える。

 自社内だけではなく、他社との「会社間グループ」を作ることもできる。今後、経費精算を簡単にできるチャットボットなども追加していく計画だ。

 UI(ユーザーインタフェース)は個人向けFacebookと似ているが、ビジネス用のドメインが発行され、各企業がデータを保有する仕組みになっている。また、カスタマーサポートや分析も提供している。個人・友人・家族の投稿や、ゲームアプリなどのアクティビティー、広告などは表示されないようになっているため、ビジネスとプライベートを切り分けることができる。

 社内SNSや社外とも交流できるコミュニケーションツールは「LINE WORKS」「ChatWork」「LinkedIn」などがあるが、「FacebookのUIと似ているため、ユーザーが使いやすい」という強みをアピールしていく。既にFacebookの「グループ」機能をビジネスに利用しているユーザーも一定数いると見込み、月間利用者数2700万人(17年3月時点)のFacebookユーザーを取り込んで拡大を目指す。

 大学などの教育機関の職員、NPO法人は無料。一般企業は9月末までは無料で利用でき、以後は利用ユーザー数の規模に応じて1人当たり1~3ドルの利用料がかかる。

●どんな効果が?

 Workplaceは、世界で4000以上の企業・団体が社内用SNSとして利用しているという。米Starbucksは北米の従業員全員がWorkplace上で活発にコミュニケーションを行っており、1人の社員が投稿した新メニューが広がり、正式にメニュー化に取り組むことが決まった。また、シンガポール政府でも導入され、メールの送受信数の大幅な削減や部署間のコラボレーションが活性化した。

 日本でも300社以上が既に導入しているという。ビズリーチ、土屋鞄製造所、コロプラなど、業種もさまざまだ。コロプラではアプリのタイトルごとに小グループを作成し、他部門の情報の可視化や、マネジメント層の現状把握が進んだという。

 Facebookは「Workplaceによって、日本企業の、労働スタイル、労働時間、デジタルツール利用の現状を変えられる」と意欲を燃やす。

●Facebookの日本戦略は

 ビジネスSNSの国内導入は、Facebookを日本で「企業のビジネス成長のパートナー」として浸透させていく狙いの一環だ。

 米Facebookの17年12月期第1四半期(1~3月)のグローバル売り上げは、49%増の約9000億円。特にアジアは59%増と成長が著しい。「アジアが成長のエンジンになっている。日本のマーケットも重要な位置にあり、日本のユーザーにリーチできるようにしていきたい」(フェイスブックジャパンの長谷川晋代表取締役)。

 ただ、LINEやTwitterが普及する日本では世界全体に比べ伸びていないのが現状。ビジネスSNSや広告のメリットを打ち出し、ビジネスにも使える点をアピールしていきたい考えだ。

 日産自動車が16年夏、ミニバン「セレナ」をフルモデルチェンジした際、Facebookを活用してプロモーションを実施。動画のバリエーションを1700種類以上用意し、細かくターゲティングしてユーザーにリーチするよう展開。その結果、購入意欲・広告認知ともに上昇したという。フリマアプリのメルカリも、Facebook広告を活用することで1ダウンロードにかかるコストを13%削減するなど、実績もある。

 「テレビCMだけでは、十分なブランド構築が難しくなってきている。Facebookを活用することで、テレビとは違うチャネルで効果的にメッセージを伝えられる」(長谷川氏)。ファッションサイトのように商品購入への導線もある新しい広告商品も増やし、動画広告に力を入れていく。