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原発訴訟 調律師への賠償認める 顧客失い損害、東電に責任 宮城

産経新聞 5/18(木) 7:55配信

 東京電力福島第1原発事故で顧客が避難を強いられ、営業上の損害を被ったとして、村田町のピアノ調律師、小原武郎さん(60)が東電に損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、仙台地裁であった。高取真理子裁判長は東電の責任を認め、約80万円の損害賠償を命じた。原告代理人によると、震災や原発事故による間接的な損害について、東電に賠償を求める判決は極めて異例という。

 高取裁判長は「原発事故により顧客であった福島県南相馬市などの住民が避難を余儀なくされ、調律の依頼は減少した」とした。

 小原さんは震災以前、南相馬市の楽器店からピアノの調律の業務委託を受け、同市周辺の家庭などで調律を行っていた。だが、原発事故後に住民の多くが避難を余儀なくされ、楽器店が顧客を失った結果、小原さんへの発注量も減少し、同市での仕事を失った。

 原告代理人は「取引先を原発事故で失った場合に、賠償義務があるという判断は画期的」と述べた。小原さんは「(同じ境遇の人は)諦めずに弁護士に相談し、少しでも取り戻してもらいたい」と話した。

 東京電力は「内容を精査し、引き続き真摯(しんし)に対応していく」としている。

最終更新:5/18(木) 7:55

産経新聞