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地域の相談役、発足100年 民生委員不足、栃木知事が一役 自ら一日体験、活動PR

産経新聞 5/18(木) 7:55配信

 地域住民の身近な相談役である民生委員制度が発足して今年で100年になることを受け、福田富一知事は17日、一日民生委員として高齢者宅を訪問、制度のPRに一役買った。民生委員は、核家族化が進み、世帯数が増える中、なり手不足が問題となっている。特に地域とのつながりが脆弱(ぜいじゃく)な都市部は不足がちといい、県は、体験事業などを通じて活動への理解を深めたい考えだ。(楠城泰介)

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 「民生委員の福田です。日常生活で何かお困りのことはないですか」

 宇都宮市で1人暮らしの女性(79)宅を訪問した福田知事は、手渡された調査票を基に、女性に生活上の不安を尋ねた。通院や買い物に不便はないかや家族の支え、近所付き合いなどについても確認した。

 民生委員は、自治体が推薦し、厚生労働相が委嘱する非常勤公務員。任期3年で無給、地域社会に根ざした福祉活動を業務とするが、全国的に委嘱数が伸び悩んでいる。

 昨年12月1日時点の県内委嘱数は3871人で、充足率(定数における委嘱数の割合)は98・3%。全国平均の96・3%は上回っているが、世帯数で決まる定数に対し、委嘱数が追い付かない状況で、充足率は低下傾向だ。

 福田知事は訪問前、民生委員との懇談会で、「福祉ニーズが多様化、複雑化する中で期待とともに負担も増しているが、引き受け手が不足している」と指摘。県としてもPR活動を推進する考えを示し、「地域住民の良き相談相手、行政との橋渡し役として不可欠で、機運を醸成していきたい」とあいさつした。

 民生委員の高齢化も顕著で、県内の平均年齢は3年前より2・2歳高くなって64・7歳。昨年12月の改選時から75歳未満の上限を、再任者に限り78歳未満とするなどの対応を迫られた。

 県は今年度から新たに民生委員協力者や後継者の育成講座、一日体験事業を開催することで、地域全体で民生委員活動を支える環境整備を進めていく方針だ。

最終更新:5/18(木) 7:55

産経新聞