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<米国>サウジと55兆円取引へ 対イラン包囲網を形成

毎日新聞 5/18(木) 17:20配信

 【ワシントン会川晴之】トランプ米政権は17日、弾道ミサイル開発を続けるイランに追加制裁措置を科すと発表する一方、サウジアラビアが米国と総額5000億ドル(約55兆円)の巨額取引を結ぶことを明らかにした。今年1月の大統領就任後、初めての海外歴訪となるサウジ訪問を前に、中東湾岸諸国との対イラン包囲網形成を鮮明に打ち出し、19日に投票を控えるイラン大統領選を揺さぶる狙いがある。

 ホワイトハウス高官は17日の外国特派員向けの記者会見で、オバマ前政権が「伝統的な友好国との関係を後退させていた」と批判したうえで、今回のサウジ訪問を機に、イランの勢力拡大を警戒するサウジなど湾岸中東諸国をはじめとする親米国との関係修復に努めると強調した。サウジはこれに呼応して米国の雇用創出のため2000億ドルを投資するほか、米国製武器購入に3000億ドルを投じる。

 一方、イランに対しては、弾道ミサイル開発の継続に関わるイラン国防省高官や中国の企業グループなど7個人・企業に制裁を科した。制裁対象は、固体燃料型の弾道ミサイル開発のほか、シリアの武器開発を手助けするための爆発物売却に関わったイラン国防省高官2人とイラン企業。さらに、数百万ドル相当のミサイル部品を2015年以後、イランに輸出したとして、中国の3企業と個人に制裁を科した。

 19日投票のイラン大統領選では、15年に米国など主要6カ国と核合意を結んだ保守穏健派のロウハニ大統領と、対外強硬派のライシ前検事総長が激しく争っている。トランプ氏は昨年の大統領選中から核合意を見直す考えを重ねて強調しており、投票日を前にした追加制裁で大統領候補を揺さぶる思惑もありそうだ。

最終更新:5/18(木) 17:20

毎日新聞