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<米大統領>中東・欧州歴訪へ テロとの戦い協力確認

毎日新聞 5/18(木) 17:56配信

 【ワシントン高本耕太】トランプ米大統領は19~27日、サウジアラビアやイスラエル、バチカンなど中東・欧州各国を歴訪する。過激派組織「イスラム国」(IS)などテロとの戦いで各国との協力を確認。主要7カ国首脳会議(G7サミット)などで指導者間の連携を強化し、国際安全保障面で米国のプレゼンスを印象付けたい考えだ。就任後初の海外歴訪で、外交手腕が問われることになる。

 最初の訪問先はサウジ。IS掃討への強い意志を示すとともに、中東・アフリカ7カ国からの入国一時禁止令などで噴出した「イスラム差別」との政権への批判を払拭(ふっしょく)したい考えだ。サウジのサルマン国王のほか湾岸協力会議(GCC)首脳との会合も予定。中東地域で影響力拡大を続けるイランへの対応が主要議題になる見通しだ。

 イスラエルではネタニヤフ首相のほか、パレスチナ自治政府のアッバス議長とも会談。トランプ氏は今月3日のアッバス氏との会談で中東和平交渉仲介に「できることは全て行う」と意欲を示したが、有効な手立てを打ち出せるかは不透明だ。

 バチカンではフランシスコ・ローマ法王に謁見する。サウジのリヤド、イスラエルのエルサレムと合わせてイスラム教、ユダヤ教、カトリック・キリスト教の各主要宗教の故国や聖地を訪れる今回の歴訪で「宗教の違いを超えた人々の団結」(マクマスター大統領補佐官)を象徴する会談としたい考えだ。

 ブリュッセルでの北大西洋条約機構(NATO)首脳会議では、欧州の安全保障への米国の関与を確認するとともに、アフガニスタンへの増派などについても話し合う。またブリュッセルでは、欧州連合(EU)首脳とも会談する。その後のG7サミットと合わせ、テロとの戦いや地球温暖化対策、自由貿易など多国間の協力が必要な政策課題を巡り、各国との協調姿勢を打ち出せるかが焦点だ。

 今回の歴訪は政権浮揚のため「外交成果を狙う旅」の側面もある。選挙で公約したメキシコ国境の「壁」など移民・難民政策が停滞。医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の行方も不透明な現状に加えて、大統領選への介入が疑われるロシア政府と自らの陣営との関係を捜査していた連邦捜査局(FBI)長官の電撃解任などが国政混乱に拍車をかけている。

 トランプ氏は一連の訪問を「歴史的なものになる」と表現。国内有権者に向けても、指導力をアピールする機会としたい考えだ。

最終更新:5/18(木) 22:00

毎日新聞