ここから本文です

司法妨害の恐れ 政権側は全面否定

産経新聞 5/18(木) 7:55配信

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領がFBIのコミー長官(当時)に対してフリン前大統領補佐官への捜査をやめるよう求めた発言のメモをコミー氏が残していたとする報道は、事実であれば大統領の「司法妨害」を裏付ける重要な証言となり得る。しかし、問題の発言があった場にはトランプ氏とコミー氏しかおらず、トランプ政権は「そのような発言はなかった」と全面否定して押し切る構えを強めている。

 トランプ氏にとって今回の発言が過去の「暴言」や「失言」をめぐる騒動と決定的に異なるのは、米民主体制の根本理念である三権分立を揺るがす「司法権の侵害」に当たる恐れを秘めていることだ。

 ただ、コミー氏のメモの存在のみをもってして、事態が直ちにニクソン大統領を辞任させたウォーターゲート事件のような状況に突入するわけではない。トランプ氏の「犯罪」を立件するには、同氏がFBIに対し、ロシアによる米大統領選への介入疑惑の捜査を手加減するよう要求したことの立証に加え、そうした要求をコミー氏が拒否したことが解任の直接の原因となったことが証明されなければならない。議会共和党が現段階では静観の構えを維持していることも、トランプ氏には安心材料の一つだ。

 一方で、コミー氏のメモの内容が事実でないと主張するトランプ氏に対しては、ツイッターで存在を示唆した当時の会話を録音または録画した「テープ」の提出を議会などが求めてくる可能性が高い。仮に録音・録画記録がコミー氏のメモの内容を一部でも裏付けた場合、形勢は一気にトランプ氏不利となる。「トランプ・テープ」をめぐる攻防も今後、事態の行方を左右する重要なカギとなりそうだ。

最終更新:5/18(木) 7:55

産経新聞