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【斎藤隆MLBリポート】イチロー、柳田…日本の“クジラ”探せ

スポニチアネックス 5/18(木) 11:20配信

 この1カ月は、日本各地に足を運び、主に高校生や大学生のアマチュア選手のスカウティングを行っています。常に持ち歩いている3点セットは、ビデオカメラ、スピードガン、ストップウオッチ。まだ慣れない仕事ですが、今まで自分が経験してきた野球とは違う新しい発見もあります。

 選手をスカウティングする際、どこを見るのか。パドレスの場合、リポート用紙の左側半分には名前や生年月日のほか、投手なら球速、腕の角度などの基本データを記す項目がありますが、右側半分は白紙。そこに自分の目で見たディテールを書き込む。例えば、マウンドでのしぐさ、打たれた時にどういう態度を取るのか、あるいは練習でグラウンドに何番目に来るのか。メジャーは米国だけでなく、世界中の何百人、何千人の中から逸材を探すので、野球の能力だけでなく、人間性もより詳しい情報が求められます。

 大海に泳ぐクジラを見つけるのがスカウトの仕事だ――。昨年、フロント留学していた時、パドレスのスカウティング部門の副社長を務めるドン・ウェルキから教えられた言葉です。マグロやカツオではなく、クジラ。もしかしたら、それは日本の無名高校にいるかもしれません。現実問題として、日本のアマチュア選手を獲得する場合は、ドラフトで漏れた選手。そのため、多少、粗削りでも将来性に重点を置いて選手を見ています。

 メジャーでは毎年、ドラフト会議で1200人以上が指名されますが、2巡目指名までの60人は、誰が見ても「こいつは凄い」という選手ばかり。各球団の特徴やスカウトの眼力の差が出るのは、3巡目以降であって、実はそこの成功がチームの将来を決めると言っても過言ではありません。

 パドレスでも、イチロー(マーリンズ)や柳田(ソフトバンク)のことがよく話題に上がります。イチローはなぜドラフト1位ではなかったのか。柳田はなぜ高校の時に指名されなかったのか。つまり、彼らのようなクジラを探してこい――。来月、私は再び米国に行きますが、それが日本滞在中に課せられた宿題なのです。 (パドレス球団アドバイザー)

最終更新:5/18(木) 11:20

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