ここから本文です

<TPP閣僚会合>米国抜き、難航も予想 21日ベトナムで

毎日新聞 5/18(木) 18:48配信

 米国を除く環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加11カ国は21日にベトナム・ハノイで閣僚会合を開き、米国抜きのTPPの今後の方向性を議論する。日本は11カ国による協定発効に向けて、年内の大筋合意を視野に意見調整を進める考えだが、米国抜きの枠組みに難色を示す国もあり、協議は難航も予想される。

 閣僚会合は20、21の両日開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合に合わせて開催する。日本からはTPPを担当する石原伸晃経済再生担当相が出席する。

 TPP参加国全体の約6割の経済規模の米国が離脱し、揺らぐ11カ国の結束を維持しつつ、発効の機運を高めることができるかが焦点だ。日本は事務レベルの調整を通じ、まず11カ国でTPPを発効させ、トランプ政権が翻意してTPPに復帰する場合には、簡単な手続きで協定に復帰できる仕組みを提案している。

 日本が米国抜きのTPPの議論を主導するのは、TPPの合意内容を維持したまま早期発効を実現させることで、2国間通商交渉を目指すトランプ政権をけん制する狙いからだ。TPPの合意水準を市場開放の限界ラインとして位置づけ、2国間交渉になった場合、さらなる譲歩を退ける根拠とし、米国のTPP復帰の呼び水としたい考えだ。

 ただ、参加国の思惑には温度差がある。オーストラリアとニュージーランドは日本と同様11カ国での早期発効に前向き。一方、米国市場でのビジネス拡大の見返りに、外資規制の緩和などを受け入れたベトナムやマレーシアは11カ国での先行発効に慎重だ。交渉関係者によると、新興国側からは、規制緩和の水準を修正するなど合意内容の見直しを求める声も出ているという。

 ハノイ会合では、TPP参加国の連携を確認する共同声明が採択される見通しで、貿易・投資のルールを巡っては、「(12カ国の)TPPで合意した高いレベルの実現を目指す」などの内容を盛り込む方向で調整をしている。ただ、協定の発効時期や枠組みに関する具体的な成果で一致点を見いだせるかは不透明。11カ国によるTPP発効に関する年内合意に向けて、参加国の意見の隔たりをどこまで埋められるか、ハノイ会合はTPPの行方を占う重要な節目となる。【工藤昭久、ハノイ赤間清広】

最終更新:5/18(木) 18:48

毎日新聞