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高浜再稼働 司法に翻弄、信頼回復課題 規制委「十分注意して」

産経新聞 5/18(木) 7:55配信

 17日夕に再稼働した関西電力高浜原発4号機について、新規制基準に基づく審査を行った原子力規制委員会の田中俊一委員長は同日の定例会見で、「小さなトラブルでも国民や住民に心配を与えるのだから、十分に注意して(再稼働を)やってほしい」と慎重な運用を関電に求めた。大津地裁による運転差し止め仮処分命令から1年2カ月。司法判断に翻弄された再稼働をめぐり、規制機関のトップは「信頼回復」を事業者への第1の課題に挙げた。

 大津地裁は仮処分命令で、東京電力福島第1原発事故を教訓に策定された新規制基準が求める過酷事故対策について、「このような備えで十分との社会一般の合意が形成されたといってよいか躊躇(ちゅうちょ)せざるを得ない」と指摘。1年後の大阪高裁決定では一転、「最新の科学的・技術的知見に基づいて策定されており、不合理とはいえない」と新規制基準の価値を認めた。

 「私からいろいろ言うと物議を醸しそうだから言いませんけれど、いろんな方がいろんな評価をしていると思いますけどね」

 田中委員長は会見で司法判断の揺れを皮肉った。運転差し止めの仮処分申請や本訴は、再稼働中の四国電力伊方原発、九州電力川内原発でも進行中。電力関係者からは「数年かけて規制委の専門家にやっと認められた事故対策が、裁判官に否定されるのは納得いかない」と本音も漏れる。

 ただ、高浜4号機は昨年2月の再稼働後にトラブルで緊急停止し、今年1月には2号機でクレーン倒壊事故も起きた。田中委員長は「(トラブル回避の)積み重ねしか国民の信頼を得ることはできない」と強調。原子力規制庁幹部は「われわれは関電が起動プロセスをしっかり行うよう求めるだけだ」と、新規制基準合格に甘んじない姿勢を求めた。

最終更新:5/18(木) 7:55

産経新聞