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<ハンセン病>市民学会の集会、19日から高松などで開催

毎日新聞 5/18(木) 21:36配信

 ハンセン病問題を考える「ハンセン病市民学会」の集会が19日から、高松市や岡山県瀬戸内市などで開かれる。療養所の世界文化遺産登録を目指し、見学者のガイドをしている田村朋久さん(40)が最終日の21日に現状報告する予定だ。瀬戸内市出身だが、かつては自身も偏見や差別の歴史をよく知らなかった。「世界遺産登録が関心を高めるきっかけになれば」との思いを込める。

 日本では1907年にハンセン病患者の隔離政策が始まった。国際的な流れに反して約90年続き、全国13カ所の国立療養所では入所者に労働や断種、堕胎手術などを強制した。

 人権侵害の歴史を後世に伝えようと、国立療養所第1号の「長島愛生(あいせい)園」(瀬戸内市)の園長らが2013年、世界遺産登録を目指す準備会を発足。邑久(おく)光明園(同市)と大島青松園(高松市)を合わせた3園の登録運動を進めている。

 田村さんはハンセン病の歴史をたどるパネルや入所者の生活用品などを展示する愛生園の歴史館で学芸員を務めている。

 友人の誘いで商社員からの転職で職員になった01年当初はハンセン病に関する知識が乏しく、入所者に「ハンセン病がうつることはありませんか」と尋ねるほどだった。舌で点字の本を読む目の不自由な入所者や、絵を描くのを楽しむ入所者の姿を目の当たりにし、いきいきと生きていることに驚きを隠せなかった。

 一から勉強し、04年に学芸員の資格も取得。企業の研修や学校の授業などで歴史館を訪れる人々のガイドを務め、消毒風呂などが残る収容所や、引き取る人がいなかった入所者の遺骨を納めた納骨堂などを案内してきた。施設を見て初めて元患者たちの体験の悲惨さに気付く人が多いことを痛感し、「歴史的建造物としてきちんと保存していきたい」と、準備会のメンバーになった。

 世界遺産登録に向け、今秋をめどに瀬戸内市などとNPO法人を設立して運動を加速する考えで、同市に寄せられたふるさと納税を原資にする計画だ。

 市民学会は、ハンセン病の元患者や支援者らが05年に発足。毎年、各地の療養所などで総会と交流集会を開いている。20日に岡山市民会館(岡山市北区)である総会と交流集会(1000円)、21日に愛生園と光明園である分科会(無料)には誰でも参加できる。問い合わせは岡山現地実行委員会(086・463・6663)。【竹田迅岐】

最終更新:5/19(金) 13:44

毎日新聞