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<水俣病地位確認訴訟>遺族の補償の地位を認める 大阪地裁

毎日新聞 5/18(木) 21:40配信

 過去の水俣病訴訟で賠償金を得たことを理由に、原因企業チッソが補償協定を結ばないのは不当だとして、関西の水俣病患者2人の遺族が同社に補償を受けられる地位の確認を求めた訴訟の判決で大阪地裁は18日、原告の訴えを認めた。北川清裁判長は「補償協定は広く救済を受ける機会を与えるもので、水俣病の認定を受けていれば適用される」と判断した。

 訴えたのは、熊本県出身で関西に住んでいた男女2人の遺族。2人は、水俣病と認定される前に、国やチッソに損害賠償を求める訴訟に加わり、それぞれ650万円の賠償を認める判決が2004年に確定。熊本県は2人の死後に水俣病と認定した。

 チッソが1973年に患者団体と結んだ補償協定では、行政に水俣病と認定された場合、同社が1600万~1800万円を支払うと規定。「締結以降認定された患者にも適用する」としていた。

 しかし、同社は2人への賠償が確定していることを理由に、遺族が求める補償協定を拒否していた。

 北川裁判長は、協定について「チッソが甚大な被害を患者にもたらしたことを反省し、損害賠償として認められる限度を超えた救済を行うことを定めたものだ」と述べ、賠償を受けた患者を除外するのは趣旨に反すると判断した。

 閉廷後に記者会見した原告側の小野田学弁護士は「水俣病の歴史を踏まえて補償協定を解釈しており、高く評価すべき判決だ」と喜んだ。一方、原告の女性は「ほっとしたが、すぐには喜べない。チッソには控訴しないでほしい」との談話を出した。チッソは「コメントを控える」としている。

 熊本県によると、関西では水俣病の未認定患者ら数十人が賠償を求めて訴え、その後8人が患者と認定された。このうち滋賀県内の男性がチッソに補償を求めた訴訟では、2013年に最高裁で男性の敗訴が確定している。【原田啓之、遠藤浩二】

最終更新:5/18(木) 23:16

毎日新聞