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<中国・ASEAN>南シナ海規範「骨抜き」 枠組み合意

毎日新聞 5/18(木) 22:02配信

 【貴陽市(中国貴州省)河津啓介】中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は18日、中国貴州省貴陽市で南シナ海問題を巡る高級事務レベル会合を開いた。今年上半期の策定を目指していた、紛争解消に向けた「行動規範(COC)」の枠組み草案に合意したと発表した。だが、最大の課題である法的拘束力について中国側は「今後の議題」と説明。中国の意向を強く反映した「骨抜き」の議論に終わった模様だ。

 会合後の記者会見で、双方の代表は「期限内の合意を達成できた」と口をそろえた。だが、中国の劉振民外務次官は合意内容について「(COCの)原則などの関連要素であり具体的なルールではない」と述べるだけで、詳細は「今後の政治的環境のために公開できない」とした。

 南シナ海問題を巡っては、中国とASEANは2002年に「行動宣言(DOC)」を結んで平和的な解決で合意。DOCは努力目標に近いため、中国を中心に人工島埋め立てなど拡張の動きは止まらず、法的拘束力のあるCOCを求める声が高まっていた。

 中国はCOCに消極的だったが、昨年7月に仲裁裁判所の判決が中国の権益主張を退けて逆風が強まると、「17年半ばまでに枠組み草案を策定する」と表明し、国際社会の批判をかわした。

 中国は19日には、仲裁裁判を提起したフィリピンと南シナ海問題に関する対話メカニズムの設立会合を開く。フィリピンと「2国間対話」に持ち込んで仲裁裁判決の有名無実化を図り、実効性のあるCOCについては言質を与えない中国の意図が浮き彫りになった。

最終更新:5/18(木) 22:02

毎日新聞