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<無線LAN「ただ乗り」無罪>総務省「違法の場合も」

毎日新聞 5/18(木) 22:03配信

 ◇「情報傍受の行為は『無線通信の秘密の窃用』に当たる」

 他人の無線LANの暗号鍵を解読して無断使用する「ただ乗り」行為をしたとして、電波法違反に問われた被告に東京地裁が言い渡した無罪判決が今月12日に確定した。しかし、同法を所管する総務省は「今回の事案は無罪だったが、『ただ乗り』が電波法違反になる場合もある」と警告している。

 今回の裁判では、被告が解読した暗号鍵を無断使用したことが、同法が禁じる「無線通信の秘密の窃用」に当たるかどうかが争われ、地裁は「暗号鍵は『無線通信の秘密』に当たらない」と結論づけた。

 この事件で被告が解読したとされた暗号鍵は「WEP」という方式だ。同省は「一般論として、WEPを解読する前に、他人の無線LANとパソコンの間で送受信される情報を傍受するなどの行為は『無線通信の秘密の窃用』に当たる」と説明する。もし、今回の裁判でも解読前の行為が起訴されていれば、有罪となった可能性があることになる。

 ある検察幹部は「総務省が指摘するように、暗号鍵を解読するためにした行為で起訴すれば、有罪になる可能性はある」と指摘する。別の幹部は「起訴できる証拠を集められるかがカギだが、この事件ではもう起訴できない」と話した。【石山絵歩、巽賢司】

 ◇「WEP」 セキュリティーが脆弱な方式

 今回の裁判で解読された暗号鍵「WEP」は、無線LANの中でも特にセキュリティーが脆弱(ぜいじゃく)な方式とされる。現在は、より安全性の高い「WPA2」などが主流となっているが、専門家によると、「WEP」を使わないと遊べない人気無線通信ゲームの購入者が「WEP」を使い続けているケースが多いという。

 また、独立行政法人「情報処理推進機構」(IPA、東京都)の昨年の調査では、無線LAN利用者の1割強が「どのような方式(の暗号鍵)を利用しているか分からない」と回答した。「WEP」を使っていると認識していない利用者も多いとみられる。

 IPAの担当者は「まずは自分がどの方式を使っているかを確かめ、必要な場合は安全性の高い方式に変えてほしい」と呼びかけている。【石山絵歩】

最終更新:5/19(金) 1:13

毎日新聞