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愛し合う灯台守の夫婦が背負った“罪”とは…?号泣必至の『光をくれた人』

5/18(木) 7:10配信

dmenu映画

二度の流産を経た夫婦のもとにやってきた、身寄りのわからない赤ん坊。彼らは秘密を抱え、幸せを築いた――。5月26日より公開される『光をくれた人』の感想を述べるのには、“感動”という言葉だけでは浅すぎるように思います。この、胸が苦しくなるような気持ち。英ガーディアン紙は本作を「ティッシュ会社の株価が上がるほど、観るものは涙するに違いない」と評しています。

【画像】『光をくれた人』

『ブルーバレンタイン』監督が送る“家族”の物語

1918年、戦争で心に深い傷を負ったトムは、オーストラリア西部の孤島・ヤヌス島の灯台守の仕事に就く。トムはイザベルという女性と結ばれ、孤島で幸せな結婚生活を送る2人だったが、度重なる流産がイザベルの心を傷つける。ある日、島にボートが流れついた。乗っていたのは見知らぬ男の死体と赤ん坊。赤ん坊を黙って自分の娘・ルーシーとして育てていた彼らは、4年後、偶然にも娘の産みの母親・ハナと出会ってしまう。

……あらすじだけ読めば、誰もが「なんて勝手な夫婦なんだ」と思うことでしょう。しかし、物語の中では、トムとイザベルの出会いから丹念に描かれます。戦争で多くのものを失くした2人が、手紙のやり取りを経て少しずつ心を通わせていき、やがて結ばれる。デートとも言えない近場の散歩、軽いジョーク、そんな小さなものをひとつずつ積み重ねて、結婚に至る。この淡々とした筆致ながら登場人物たちに感情移入させる手法は、さすが1組のカップルの出会いから別れまでを描いた『ブルーバレンタイン』(2010年公開)のデレク・シアンフランス監督といったところでしょうか。

彼らが一番望む“子供”という幸福だけが手に入らないことを、観客も一緒になって落胆することになります。そのため赤ん坊がボートで流れ着いたときは、逡巡するトムを見て「迷わず自分の子供にしてしまえばいい!」とやきもきすることになるのですが、ハナが登場して、物語の中で再び1組のカップルの幸せな日々が描かれます。それは、ハナと亡き夫・フランクの回想。そのとき観客は、愛し合うカップルはトムとイザベルだけではないと思い知らされ、彼らの罪の重さを感じるのです。なんて残酷な演出!

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最終更新:5/18(木) 7:10
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