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SG再設定が必要 米国抜きなら発動困難 TPP11で農水省

5/18(木) 7:01配信

日本農業新聞

 農水省は17日、米国抜きで環太平洋連携協定(TPP)を発効する場合、参加国全体を対象にした乳製品輸入枠の数量や、牛肉などのセーフガード(緊急輸入制限措置=SG)の発動水準を変更する必要性があるとの考えを明らかにした。TPPとは別に米国との2国間交渉でも乳製品の輸入を求められる懸念や、牛肉などの輸入急増時にもSGが発動しない可能性が指摘されていた。

 同日の自民党TPP総合対策実行本部で同省は、バターや脱脂粉乳の輸入枠や牛肉・豚肉のSGを例示し、「米国からの輸入量を前提に設定されている。TPPが米国抜きになった場合、一定の調整が今後、必要になってくる部分がある」と説明した。「米国から2国間で別途取られる“両取り”や、SGがなかなか発動されないことがないようにしていかなければならない」とも述べた。

 TPPでは、米国も含めた参加国全体を対象として、バター・脱脂粉乳に生乳換算で7万トンの輸入枠を設定した。だが、米国を除いた11カ国でTPPを発効させた場合、これとは別に米国から2国間交渉で新たな輸入枠を求められる可能性が指摘されていた。

 また、TPPで牛肉などに設定されたSGは、参加国全体からの合計輸入量が発動基準。2016年度の日本の牛肉輸入量は52万6000トンだが、米国は国別で2位の20万7000トンを占める。一方、TPPの牛肉SGの発動基準は発効時に59万トンで、16年目には73万8000トンまで拡大する。ただでさえ発動するかは不透明だが、11カ国でTPPを発効させ、基準数量から米国が抜ければ「ほぼ不可能」(自民党農林幹部)になるとみられている。

 ただ、今後の協議で、こうした考え方が実現するかどうかは見通せない。自民党の会合では、輸入枠の見直しは日米の自由貿易協定(FTA)交渉入りを前提とした考え方だとして、慎重に検討すべきとの意見も出た。

日本農業新聞

最終更新:5/18(木) 7:01
日本農業新聞