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東大が産学連携で熱意を共有した“同志”とは

ニュースイッチ 5/18(木) 12:10配信

コマツと熱交換器の効率化でブレークスルー。建機の大半に導入

 産学連携は今、政府の「産業界から大学・研究機関への投資を3倍に」という方針によって大きなチャンスを迎えた。この流れにうまく乗り、新たなイノベーションを生み出せるのか。参考となる大学と大企業の成功事例がある。

 最先端技術に目が集まる産学連携だが、東京大学とコマツは熱交換器という成熟技術でブレークスルーを生み出した。燃費の5%改善、または同じ性能で大きさの15%縮小を実現。今やブルドーザーや油圧ショベルなど、同社の建設機械の大半に導入されている。

 建機では熱を帯びたエンジンを水で冷やし、熱くなった水は熱交換器(ラジエーター)を通して冷却する。熱交換器は大型ファンで発生した風を当てて冷やす仕組みだ。

 今回は熱交換効率を高めるため、ラジエーター表面に2次流れを発生させられる突起状のフィンにおいて、壁面形状を特殊なV字型にした。砂ぼこりなどの目詰まりがしにくい形状も魅力だった。東大の発明を同社が技術移転で活用した。

 きっかけは2007年からの両者の「社会連携講座」だ。同社は排ガス規制対応でエンジン冷却効率の改善に迫られていたが、最初に対応策を絞り込まず、半年かけて多面的に検討。その中で東大の鹿園(しかぞの)直毅教授の技術に行き当たった。開発は、最適形状をシミュレーションする東大、新型フィンを実機に装着し試験するコマツに加え、和氣製作所(埼玉県所沢市)によるフィン試作で進められた。

 加工が難しく寸法精度のバラつき、高性能と低コストの両立などが課題だった。しかし最終的に3年と短期で実用化できたのは、「企業内の研究所と開発部門のような関係が築けたためだ」とコマツ技術イノベーションセンタの矢部充男チーム長は強調する。

 鹿園教授も「『できません』で終わらず、絶対にモノにするぞという熱意を共有した“同志”だった」と振り返る。だからこそ「可能性や譲歩できる点を理解し合えた」(和氣製作所の和氣庸人社長)。成功の秘策はやはり、一致団結にありそうだ。

最終更新:5/18(木) 12:10

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