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被爆者がんリスク高水準 放射線影響研究所調査 60年経過しても 米学術誌に発表

長崎新聞 5/18(木) 10:33配信

 日米共同の研究機関、放射線影響研究所(放影研、広島市、長崎市)は17日に記者会見し、長崎と広島に投下された原爆の被爆者が固形がんにかかるリスクが、被爆していない人に比べて、60年以上経過しても高いままとなっているとの調査結果を明らかにした。

 同日までに米学術誌「ラディエーション リサーチ(Radiation Research)」の電子版で発表した。

 放影研は戦後、1958年時点でがんを患っていない被爆者と当時被爆を免れた市民の計10万5444人を対象に、健康状態を追跡調査している。

 今回は1999年1月~2009年12月の11年間を追加調査。1998年12月までの調査と比べ、調査対象者の生存率は52%から38%に低下し、新たに5918のがんの症例を確認した。罹患(りかん)率などを算出した結果、被ばく線量が1グレイ(爆心地から1・5キロの被爆に相当)の被爆者は被爆していない人と比べ、がんのリスクが約50%高かった。

 喫煙が与える影響も初めて調査。喫煙の有無にかかわらず、被爆によって同じ割合でがんのリスクが上昇することも確認した。

 放影研は長崎、広島両市をインターネット映像で結び、同時に会見を開いた。広島市で研究結果を解説したエリック・グラント主席研究員は「たった一度の被爆が、今なおがんのリスクを高めるということを理解することが重要」と強調した。

長崎新聞社

最終更新:5/18(木) 10:33

長崎新聞