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再稼働原発わずか4基、需要見通せず 審査合格のウラン濃縮工場

デーリー東北新聞社 5/18(木) 10:45配信

 日本原燃の核燃料サイクル施設で初めて新規制基準の適合性審査に合格したウラン濃縮工場(青森県六ケ所村)は、燃えるウラン(ウラン235)の割合を3~5%に高めた「製品ウラン」を生産する国内唯一の施設だ。しかし、再稼働にこぎ着けた原発は、新基準施行から4年近く経過した現在も関西電力高浜原発4号機(福井県)を含めて4基にとどまる。原燃は同工場の合格で、使用済み核燃料再処理工場(同村)など残る3施設の審査に弾みをつけたい考えだが、視界は開けていない。

 ウラン濃縮工場は「転換」と呼ばれる工程を経た原料ウランを受け入れ、核燃料に加工するために化学処理(再転換)する工場に送る役割を果たす。1992年に操業が始まり、最終的には年間1500トンSWU(SWUは濃縮能力の単位)という生産規模を目指している。

 ただ、製品ウランの出荷量は東日本大震災後から激減。2012年3月に新型の遠心分離機が生産運転を開始したものの、13年度からは5年連続でゼロが続く。

 調達側の電力会社を取り巻く先行きの不透明感が反映された格好だ。
 今後の原発再稼働を巡っても展望は見通せない。関電は17日に高浜4号機を再稼働させ、来月上旬には同3号機の稼働も見込む一方、東北電力東通原発(青森県東通村)など「沸騰水型軽水炉」は審査が長期化するばかり。

 こうした状況は、原燃の再処理工場で取り出したプルトニウムを再び原発の燃料に使う「プルサーマル」にも影響する。プルサーマルの導入には一定規模の原発の再稼働が必要なことから、電力業界は震災以降、実施時期を見直せずにいる。

 結果的に、日本のプルトニウム大量保有に国際的な疑念が高まりかねず、サイクル政策の多難さにいまだ活路は見いだせない。

デーリー東北新聞社

最終更新:5/18(木) 10:45

デーリー東北新聞社