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社説[普天間 運用停止]政府は責任を自覚せよ

沖縄タイムス 5/18(木) 7:30配信

 政府と県、宜野湾市による「普天間飛行場負担軽減推進会議」の作業部会が、きのう首相官邸で開かれた。昨年8月以来9カ月ぶりの開催である。

 県からは今年3月、副知事に就任した富川盛武氏が出席し、普天間の5年以内の運用停止などを要請した。

 これに対し政府は「辺野古移設との関連もある」とし、地元の協力が前提との説明を繰り返した。

 5年以内の運用停止については先週、公明党本部と県本部でつくる「在沖米軍基地の調査ワーキングチーム」が、辺野古と切り離し実現することを求める提言書を菅義偉官房長官に出している。

 地元宜野湾市の佐喜真淳市長も、危険性除去を求め、5年以内の運用停止を強く訴えている。

 5年以内の運用停止は「沖縄の声」と言っていい。

 仲井真弘多前知事が辺野古埋め立てを承認する直前の2013年12月に要請し、安倍晋三首相が約束した5年以内運用停止の期限は19年2月。残り2年を切っている。

 政府は翁長雄志知事が就任してしばらく、約束は「生きている」と言っていたが、今年に入って「翁長知事に協力してもらえず実現は困難」と言い方を変えてきた。

 知事が辺野古新基地に反対するからとの言い回しは責任転嫁である。

 辺野古新基地の完成まで10年近くかかるというのに、それまで危険性を放置するつもりなのか。それこそ、果たすべき責任を政府自ら放棄したのに等しい。

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 政府と県が5年以内の運用停止を約束した当時、副知事だった高良倉吉氏は本紙の取材に、新基地と運用停止は「『切り離す』『リンクさせない』『前提としない』という認識のもと、政府とテーブルを囲んだ」と述べている。作業部会の主要議題は普天間の危険性の除去だったと強調した。

 あらためて政府に聞きたい。米軍は完成前の運用停止に否定的な見解を示してきたが、政府は米軍に普天間の5年以内運用停止を正式に要請したことはあるのか。

 佐賀空港へのオスプレイの訓練移転は地元の反対で断念したのに、沖縄の反対はなぜ顧みないのか。

 もし仮に翁長氏が新基地を容認した場合、どういう手順で5年以内を実現するつもりか。翁長氏に責任転嫁する前に、その具体的なプランを県に示すべきである。

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 普天間飛行場を離陸したヘリが沖縄国際大学構内に墜落し炎上したのは2004年。あれから13年がたった。普天間所属のオスプレイが昨年暮れ、名護市の海岸に墜落した事故で、当時の記憶がよみがえったという人は多い。周辺住民は騒音被害とともに墜落の不安にさらされ続けている。

 米軍は日米特別行動委員会の最終報告がまとまる前から、運用上制約の多い普天間飛行場の代替施設建設を検討していた。

 普天間の固定化をちらつかせながら、県民の声を無視して辺野古移設を強行するのは政治の堕落というしかない。

最終更新:5/18(木) 7:30

沖縄タイムス