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市民の迷彩服は処罰対象? 刑特法「米軍に似せた服」禁止 基地反対運動の適用、法務省「捜査機関にゆだねる」

5/18(木) 16:30配信

沖縄タイムス

 名護市辺野古の新基地建設などに対する市民らの抗議行動で、国が違法性を指摘する際の根拠に挙げるのが刑事特別法だ。第9条「制服を不当に着用する罪」には米軍の制服や似せた服を着た者を処罰するとあるが、現場では米兵のような迷彩柄の服を着る市民もいる。法務省は「似せて」の基準を「捜査機関が個別に判断する」と説明。抗議行動で市民への適用例はないが、識者は「基準を捜査機関に委ねれば条文が拡大解釈されかねない」と指摘している。(政経部・伊集竜太郎)

 刑特法第9条は「正当な理由がないのに、合衆国軍隊の構成員の制服又はこれに似せて作った衣服を着用した者は、拘留又は科料に処する」と明記。法務省刑事局は取材に対し「構成員でない者がみだりに制服を着用すれば、軍への信用を失わせるだけでなく、不正の手段に用いられがちだから」と回答した。

 米軍の制服に似た服を着て、基地付近で反対運動した場合も適用されるかとの問いには「捜査機関が収集した証拠に基づき個別に判断するため、一概に回答するのは困難」と説明。過去の適用事例は「網羅的に把握していない」とし、条文を見直す予定はないとした。

 うるま市の60代女性は、東村高江のヘリパッド建設や辺野古の基地建設反対運動に週1、2回通う。高江の抗議行動で機動隊に追い回されて怖かったため、周囲の森に合わせて迷彩柄のような服を着始めた。条文について「市販で似たような服はいくらでもある。何をもって似ていると判断するのか」と首をかしげる。

 刑事法に詳しい金高望弁護士は「条文の基準は立法府が作るものだ。刑事局の『捜査機関に委ねる』という回答はおかしい」と指摘。仮に条文を適用する場合は極めて限定的に解釈されるべきだとし「そうでないと市民の自由を不当に奪うことになる」と語った。

最終更新:5/18(木) 16:35
沖縄タイムス