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60歳的場文男7000勝!地方一筋デビュー44年

日刊スポーツ 5/18(木) 9:39配信

 「大井の帝王」こと的場文男騎手(60)が17日、川崎競馬場の11R、重賞の川崎マイラーズ(S3)をリアライズリンクスで勝ち、佐々木竹見元騎手に続く史上2人目の地方通算7000勝を達成した。73年10月16日のデビューから3万9350戦目。自らの持つ地方重賞最高齢勝利記録を60歳8カ月10日に更新し、快挙に花を添えた。

 上半身を激しく上下動させながら前を捉えると、リアライズリンクスの馬上で的場の右手が大きく上がった。自らの持つ地方重賞最高齢勝利記録を更新すると同時に、地方通算7000勝目のメモリアルVだ。大歓声と的場コールに迎えられながら、喜びをかみしめるようにウイニングラン。「迷ったけど(重賞と)7000勝とダブルだったんで、しようかなと。自分のため、周りのためにやってきて、自分でも楽しめたなと思う。できればいいなと思いながら乗って、夢を実現できた」。大台への道のりをかみしめるように振り返った。

 代名詞ともいえるダイナミックで踊るような騎乗フォーム。25歳の頃、体全体を使って必死で追っているうちに身についた。馬が伸びるため、無意識に体で覚えた。両膝を締める力が人一倍強い。160キロもある土佐ノ海に足相撲で勝ったこともある。鞍をガチッと挟むからバランスが崩れない。その“勲章”は数センチも骨が出っ張った、くるぶしだ。

 40歳を過ぎてからは休日でもクアハウスでウオーターバイクを中心に3時間のトレーニングをこなす。夜は8時に寝て、午前4時に起床。徹底した自己管理で強靱(きょうじん)な肉体を作り、維持してきた。支えてきたのは「努力」という大好きな言葉にほかならない。大台へ残り14勝とした3月、レースで左手を骨折した。1カ月ほど戦列を離れたが、休養中も普段と変わらず調教に顔を出した。乗れなくても、関係者とのコミュニケーションは欠かさなかった。

 騎手になって44年間。後ろ向きな姿は見せなかった。家族にも、だ。長男の勝之さん(34=的場直厩舎厩務員)は幼いときから、どんな大けがをしても、弱音を吐いた父の姿を見たことがない。「普通、自分の家でぐらい見せるんじゃないかと思うんですけど」。競馬への姿勢、勝利への意欲。「帝王」の「帝王」たるゆえんだ。

 次の目標は、7151勝の地方競馬最多勝利記録。そして2着9回を数える東京ダービー制覇も残っている。「これしかできない。やめたらただのおじさんだからね。人は、努力してる姿がきれいでしょ?」。まだ、“ただのおじさん”にはなれない。【渡辺嘉朗】

<大井の帝王・的場文男(まとば・ふみお)アラカルト>

 ▼生まれ 1956年(昭31)9月7日、福岡県出身

 ▼身長体重 165センチ、50キロ

 ▼家族 尚子夫人と1男1女

 ▼勝負服 赤・胴白星散らし

 ▼好きな言葉 一生懸命、努力、根性

 ▼デビュー 73年10月16日、大井競馬場

 ▼初勝利 10戦目、ホシミヤマ

 ▼重賞初制覇 77年10月17日、アラブ王冠賞をヨシノライデンで

 ▼海外初制覇 13年9月1日、韓国で行われた「韓日競走馬交流競走」。トーセンアーチャーで制する

 ▼リーディング 83年に初の大井リーディング。02年に363勝で地方競馬全国リーディング21回(85年-04年の20連続含む)全国リーディング2回

 ▼最年長重賞勝利 60歳8カ月10日

最終更新:5/18(木) 10:01

日刊スポーツ

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