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研究費は「研究者のために」 日本捨てる一橋大の若手学者、河野太郎議員に直訴へ その思いは?

5/20(土) 7:10配信

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 香港の大学への移籍理由を「給料です」とツイートして話題になった一橋大学講師の経済学者、川口康平さん(34)が、今度は九州大学准教授、大賀哲さんとタッグを組み、政権与党・自民党を攻めます。狙いは、国から研究者が獲得した研究費を「研究者自身のために使わせて!」と訴えること。5月21日に、自民党行政改革推進本部長の河野太郎衆議院議員に要望書を提出する予定です。日本を捨てる学者がなぜ、日本の研究環境向上のために動くのでしょうか。(朝日新聞・長野剛記者)

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大学に「召し上げ」

 きっかけは「弊社も全額召し上げ型なので(涙)」とつぶやいた、5月4日の大賀さんのツイートでした。

 「召し上げ」られるのは自分で勝ち取った研究費のうち、自分のために使わせてもらうこともできるはずの「間接経費」。国のルール上は、例えば研究以外の事務を代行してくれる秘書の雇用にも使えるはずのお金です。

 研究者が自ら研究プランを提案し、認められたとき、国から所属研究機関に支払われる競争的研究資金には、この間接経費が付いてきます。額は直接の研究費の約3割分。使い道は、国の指針で、その研究者の活動支援と研究機関全体の環境改善と定められています。

 東南アジアの人権などが専門の国際政治学者である大賀さんも今年度、約200万円の間接経費を獲得しています。ですが、職場で間接経費は、ほとんどが光熱費や事務用品の購入・維持費までも含めた大学や学部の共通の経費として使われてしまいます。競争的研究資金を獲得している教員は約3割しかおらず、大賀さんは「不公平感は強く持っています」と明かしました。

 この日、大賀さんは計15回の連続ツイートを投稿し、事務員さんを雇ってもらおうと思ったら断られた話などを交え、大学の間接経費の使い方への思いを訴えました。

「河野太郎氏に要望書」提案

 これに反応したのが川口さんでした。東大の学祭で河野太郎氏を招き、大学行政について議論するイベントがあると知らせ、そこで意見書を「提出するとよいと思います」と提案。協力体制をとりました。

 話はトントン拍子に進み、研究現場の課題をブログを通じた研究者との交流で調べていることでも知られる河野氏に提出する要望書が、5月15日にまとまりました。10日余りの突貫工事でしたが、ネットに公開すると「大変画期的な提案」「心から感謝する」などの声が寄せられています。

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最終更新:5/20(土) 10:43
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