ここから本文です

訪日客4000万へホテル強化 鉄道各社、相次ぐ新設計画 収益の柱に

SankeiBiz 5/20(土) 8:15配信

 5月中旬に訪日外国人旅行者数が過去最速で1000万人を突破した。都市部を中心に宿泊施設の需給逼迫(ひっぱく)がささやかれる中、鉄道各社がホテル事業の拡大にかじを切っている。人口減少で鉄道事業の先細りが避けられない中、鉄道インフラとの相乗効果も見込めるホテル事業は収益の柱となる可能性を秘めており、今後も出店競争が熱を帯びそうだ。

 「2020年ごろまでに1万室を超えるホテルチェーンを目指す」。JR東日本の冨田哲郎社長は5月上旬の会見で、首都圏を中心に現在43カ所で計約6300室を展開する「メトロポリタンホテルズ」や「ホテルメッツ」などについて、20年に60カ所にする構想をぶち上げた。今月下旬にも、東京都千代田区の秋葉原駅隣接地で196室の「ホテルメッツ秋葉原(仮称)」を着工する予定という。

 西武ホールディングス(HD)は、1泊1室の客室単価を1万円前後に抑えた宿泊特化型のホテルを19年度をめどに展開。今後10年で新ブランドを中心に約100カ所を開業する。傘下のプリンスホテルの平均客室単価(16年度)は約1万5000円だが、培ったノウハウを新ブランドでも生かし、「欧米にも照準を合わせさまざまな所得層の客を取り込みたい」(西井知之取締役)考えだ。

 京王電鉄も、宿泊特化型の「京王プレリアホテル」を18年秋開業の京都市を皮切りに、翌年夏には札幌市にも出店。2棟の合計で約200億円を投じる。

 みずほ総合研究所の試算によると、20年に訪日客数が4000万人に達すると仮定した場合、東京や大阪など13都道府県で宿泊施設4万4000室分が不足する。人口減で通勤や通学などの固定客の減少が見込まれる鉄道各社は市場開拓の好機と見ており、冨田社長は「大きな経営の柱としシェアを取りに行かなければ」と気を引き締めている。

 観光庁の田村明比古長官は19日の会見で、「ホテルの投資計画などは出ているが、受け入れ態勢は道半ばだ」と強調、民間による施設整備のさらなる加速に期待感を示した。(臼井慎太郎)

最終更新:5/20(土) 8:15

SankeiBiz