ここから本文です

ウナギ生息増へ石倉かご 静岡県、河川に初設置

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS 5/19(金) 7:49配信

 河川のコンクリート施工など護岸工事ですみかを奪われ、行き場を失う絶滅危惧種ニホンウナギ。そんな悪循環を解消しようと、静岡県は17年度、砕石を詰めた「石倉かご」を河川に設置する取り組みを始めた。狭い場所を好むウナギを石の隙間に呼び込み、外敵から守って生息数の増加につなげる。関係者によると、県内河川への設置は初めて。

 静岡市清水区の庵原川で18日、縦横1メートル、高さ50センチの樹脂製のかごに石を詰め、川底に沈める作業が始まった。県静岡土木事務所の中村晃久主査によると、庵原川は長年の水流で底がえぐれて低くなり、護岸が不安定になる「洗掘(せんくつ)」が発生している。石倉かごを川底へ設置することで、ウナギの保護と削られた河川の改良の両方につなげたいという。

 23日までに4基設置する計画。6月からは庵原川周辺の住民や小中学生、東海大の学生らが発足させたボランティア団体「いはらの川再生PJ(プロジェクト)会」がモニタリング調査に乗り出す。石倉かごにすみ着いたウナギのほか、ウナギの餌になるエビやカニなどの生息数についても調べる。

 全国で石倉かごの設置に取り組んできた同会の伏見直基代表(44)=同区=は、「ようやく地元にも設置される。住民が河川への関心を高めるきっかけにしたい」と幅広い連携を呼び掛ける。

 浜松市北区の都田川でも4月下旬、県浜松土木事務所が石倉かごを2基設置した。水生生物の生息環境を整え、減少が続くウナギなどを保護する。担当者は「護岸工事が進み、ウナギが休んだりする場所が少なくなった。秋には石倉かごが生態系の改善にどう影響しているかを調査したい」と話す。



 <メモ>石倉かご 伝統漁法の「石倉漁」と河川の護岸工事などに用いられる「蛇籠(じゃかご)」を応用。コンクリート護岸の普及により、土の中などに潜れなくなったウナギのすみか作りに活用されている。静岡市清水区の土木資材販売「フタバコーケン」が、腐食による劣化の危険がない樹脂製のかごを開発。2016年度には水産庁の事業として全国11カ所の河川に設置された。

静岡新聞社

最終更新:5/19(金) 7:49

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS