ここから本文です

強気のトランプ氏、守勢に=捜査の行方は不透明―特別検察官任命

時事通信 5/19(金) 7:04配信

 【ワシントン時事】トランプ米大統領の陣営とロシア政府が共謀して昨年の大統領選に干渉したという「ロシアゲート」疑惑の捜査をモラー特別検察官が率いることになった。

 「共謀がなかったのは前から分かっている」とあくまで強気の大統領だが、野党民主党の要求が実り、守勢に回った格好。ただ、トランプ陣営とロシアの接触は幾つか取り沙汰されているが、結託を示す確たる情報はこれまで公になっておらず、捜査の行方は不透明だ。

 トランプ政権や議会共和党は一貫して、特別検察官は「必要ない」と突っぱねてきた。しかし、16日の米紙報道で、トランプ氏がコミー前連邦捜査局(FBI)長官に対し、フリン前大統領補佐官とロシアの関係について捜査を見合わせるよう頼んだ介入疑惑が発覚。公正な捜査を望む世論の声に抗しきれなくなった司法省は「公益」と「異例の状況」に鑑みて特別検察官任命に踏み切った。

 こうした混乱を受け、ホワイトハウス職員の一人はポリティコ紙に「本当にどうなるか誰も分からない」と嘆いている。民主党全国委員会のペレス委員長は「トランプ氏やホワイトハウス、共和党は(特別検察官を)望んでいなかっただろうが、米国民が声を上げ、実現した」と勝ち誇った。

 ロシアゲートでは、フリン氏やセッションズ司法長官らが駐米大使や情報機関員らロシア側と接触していた事実が最も注目を集めている。選対本部議長だった政治コンサルタントのマナフォート氏が約10年前に、プーチン政権に関わる仕事を請け負っていたことも伝えられたが、共謀の具体的な証拠となると、決定打に乏しい。

 モラー氏については「適任」という声が多く、ワシントン・ポスト紙によれば、過去に特別検察官の仕事に携わった専門家は、「共和党員だが、全く政治的な人物ではない」と評価。捜査については時間が長くかかる可能性もあり、明確な結論が出ない事態も予想している。

 一方、トランプ氏がフリン氏の捜査終結をコミー氏に依頼した疑惑は、明確な犯罪である司法妨害と認定される場合もあり、政権にとってはより深刻とみられる。特別検察官の任務についても「捜査から直接持ち上がるあらゆる事案」が対象になると規定されており、ロシアゲート自体から焦点が移る可能性も否定できない。 

最終更新:5/19(金) 8:57

時事通信