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稀勢、連敗しない!千代翔馬に右上手許し苦戦するも3勝/夏場所

サンケイスポーツ 5/19(金) 7:00配信

 大相撲夏場所5日目(18日、両国国技館、観衆=1万816)左上腕部、左大胸筋に負傷を抱えながら3場所連続優勝を狙う横綱稀勢の里(30)は、受け身に回りながらも平幕千代翔馬(25)を寄り倒し、連敗を免れて3勝目を挙げた。横綱白鵬(32)は小結御嶽海(24)を上手投げ、横綱日馬富士(33)は平幕大栄翔(23)を上手出し投げで退け、そろって5連勝。大関とりの関脇高安(27)も平幕遠藤(26)を下し、5戦全勝とした。

 余力を使い果たす。一枚まわしの上手は伸び、左下手の引きつけは甘かった。最後は184キロの体を預けるように、相手とともに土俵下へ落下。寄り倒し。立ち上がる稀勢の里から、小さな吐息が漏れたようにみえた。

 支度部屋。白星1つを先行させる3勝目を挙げた横綱の表情は、険しくさえあった。千代翔馬に右上手を許し、横綱の左下手は中途半端で、上手は届かない。上手投げで振られて、外掛けで下半身を攻められ、左足には裾払いも飛んできた。左上腕部、左大胸筋に負傷を抱え、患部にテーピングを施しながら務める土俵。初顔合わせの相手に先手の攻めを許したことに「そうだね…」。発した言葉はこの一言。もどかしさが、笑顔を奪う。

 この日は、横綱審議委員会(横審)による恒例の「本場所総見」が行われ、北村正任委員長(76)=毎日新聞社名誉顧問=も姿をみせた。手負いながら結びの一番で精いっぱいの白星を挙げた稀勢の里に、館内からは地鳴りのような拍手と歓声が広がった。同委員長は「(歓声が)メチャクチャだね。すごい。稀勢の里のおかげで相撲人気が上がっている」。

 1月の初場所後、横審が昇進を推挙した際、内規の項目には「横綱に推薦する力士は品格、力量が抜群であること」があった。「品格」の中にも内規があり「地位に対する責任感」の良否を判断する。それは、横綱は常に優勝争いに絡む責務がある、とも解釈される。

 だが、北村委員長はまだ優勝の可能性を残す稀勢の里に対して「優勝は無理。この場所については(優勝争いを)求めない」。ファンの期待に応えるように出場へ踏み切って、けなげに闘う姿を高く評価。「だれも全部勝てとは思っていない」と擁護した。土俵に立ち続ける存在感が、この横綱の“使命”となった。

最終更新:5/19(金) 7:00

サンケイスポーツ